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篠田学園-1部-





「来学期から転入、今学期は今の学校だから」


何故?そう聞く前に自然な動作で唇を重ねられた。

これは確実に誤魔化そうとしている。

勇は自分に不都合な時は必ずと言っていいほど、色気で誤魔化す。

それは時には最後まで流されてしまう程で。


「今日はやんないから」

「つれないな、俺と馨夜の仲だろう?」


少し悲しそうに言う勇に、俺は絶対騙されないぞと心に決め、覆いかぶさって来そうな勇を押し返した。


「全寮制なんだろ?いつでも出来んじゃん」

「俺は忙しいんだよ」


だったら今こんなことしてないで仕事してろよ。

溜め息をつきながら言う勇に、俺は内心で悪態をついた。

そんな俺に気づいたのか、勇は体を退かし近くの俺のベッドに腰を下ろした。


「そうそう、そこの紙袋を開いてご覧」


クスリと笑みを浮かべ、机の上を指差す。

いつの間に置いたのか疑問に思いつつも中を覗き、俺は目を見開いた。


「か、つら…?」

「うちの学校、黒翼の幹部勢揃いしてるから」


ニッコリと爽やかな笑みを浮かべた勇に、俺の思考は完全にストップした。





そもそも、俺はButterflyって言う族の総長だった。

“だった”っていうのは、今はもう止めたからそう言う訳で。

取り敢えずその話しは追い追い話していこうと思う。


で、そのButterflyのライバル的存在が黒翼。

一応俺達の方が強いんだけど、なんせ総長がしつこい。

初対面でいきなりキスされて、普通俺のこと好きなのかなー?て思う所だけど、こいつは違う。

2回目に会った時突然喧嘩を仕掛けられた。

俺のイメージでは完全に喧嘩中毒者だ。






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