篠田学園-1部-
悪魔様
「やっと振り向いた!!!!
どいてっつってるでしょっ」
可愛い顔が台なし……
はぁ…と溜め息をついて何となく入口に目を向けると、須賀なんかよりもよっぽど恐ろしい悪魔がいた。
「クリス…」
顔から血の気が抜けていくのが自分でもよくわかる。
やばいっ
殺される……←
「大体、暁様とちょっと知り合いだからって調子乗りすぎ」
周りに一般の人もいるってのに、須賀は全く気にした様子もなく文句を言い続ける。
「す…須賀、皆見てるのにいいの?」
「皆そぉ思ってるの!!!
ホントに懲りないよねっ」
これ以上須賀を喋らせたら危ない…
そう思って言ったのに 須賀は口を閉じる事はしないで、更に文句を始める。
視界に入るクリスは殺気を放ってゆっくりと近付いて来た。
やばっ……
冷や汗が俺の頬を伝って首元まで垂れた瞬間、俺の視界は反転していた。
「っ、あっぶね……」
腕の中には目を思い切り見開いた須賀。
そして目の前には妖艶な笑みを浮かべる金髪青瞳の美青年。
《分かってんだろぉ?
馨夜ちゃ〜ん……?》
正真正銘の悪魔が神臨した瞬間だった。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!