篠田学園-1部-
何者!??
「ヨルさん、出番」
「ん〜、俺?」
更衣室を出た俺は、委員長と別れてホールの端っこの待機ゾーン(馨夜命名)でぼーっとしていた。
「暁せんせーが“暇そうだからホール手伝わせろ”だってさ」
「うわっ鬼畜」
「聞こえてっぞ、馨夜!!!」
俺が声を張り上げるとホールの奥から暁の声が聞こえた。
「しょうがないなぁ〜」
溜め息をついてホールを見渡せば目が合った者から頬を赤らめる。
流石俺っ(笑
俺が優越感に浸っていると、不意に背後から可愛いらしい声が聞こえる。
「篠田、突っ立ってねぇで手伝えよっ」
「裕樹、可愛い〜Vv」
ぎゅっ
俺より小さい裕樹を思い切り抱きしめた。
「んだよっ離せ〜〜」
じたばたと暴れるがそんな所も可愛いと思えてしまう。
「篠田、離してやってくれ」
「邦久っっ」
不意に声が聞こえたと思ったら、腕の中にいた裕樹が消えた。
むっとして振り向くとスーツを着たカッコイイお兄さん。
「邦久〜、篠田力強い…」
「そうなのか?」
「俺強いよ……てか、槇?」
裕樹が後ろに隠れたお兄さんは、確かに槇の声をしていた。
…ということは確実に槇なのだが、有り得ない位にカッコイイ。
「は〜い、槇 邦久くんで〜す」
たるそうにへらっと笑って片手を上げた槇は、正真正銘の槇 邦久だった。
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