篠田学園-1部-
2
「久住先輩って久住昇?」
「おぉ、カッコイイよな」
ぶっ
目を輝かせて言う委員長に俺は思わず噴き出した。
「クノがカッコイイねぇ…」
「?」
変ににやける俺に委員長は不思議そうに眉をしかめた。
「馨夜もう来てたんだ?」
俺が委員長の反応を見て更ににやけていると、不意に背後から声が掛かった。
「はよ、有紫と慶輔」
「え、櫻木…」
軽く挨拶をすると有紫は思い切り振り返る。
「有紫、はよ」
「……お、おはよ」
ごく自然に口を開く慶輔に対して、不自然に吃る有紫。
慶輔が心なしか凹んでいるように見えて可愛いと思ってしまうのは俺だけか?
何はともあれ、石化してしまった有紫をどうにかしなくては…と、俺は委員長を見遣った。
「委員長」
「え、ここで俺?」
「ほら、委員長だし?」
首を傾げて聞いてみると、委員長は何故か溜め息。
「どしたの?」
「呆れてただけだっ
ほら、時間!!!
早く着替えるっ」
「いってらっしゃい」
どうにか慣れたのか、有紫は堅い笑みを貼付けたまま手を振ってくれる。
へらへらと手を振る俺の背中を押して、委員長と俺は更衣室へと入った。
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