篠田学園-1部-
3
メモを読んだ慶輔の表情が変わり、俺は思わず慶輔からメモを奪う。
「…なんて書いてある?」
「……」
心配そうに俺を見つめる祐樹と、それを少し離れた所で見る槙。
俺と慶輔は呆れた様に溜め息をついた。
「“コノ学園カラ去レ”だとよ、なんか拍子抜けだ」
「I-Aだと…須賀あたりか?」
再度溜め息をつく慶輔に思わず苦笑が零れる。
「馬鹿なんだ…」
「なんで須賀?」
「I-Aでこんな幼稚なことするのは須賀くらいだよ
それより祐樹、気をつけろよ?」
「邦久は心配しすぎだろ
俺の実力忘れた?」
すっかり元気になった祐樹とそれを心配そうに苦笑する槙。
ってか…
「邦久って誰?」
「馨夜、突っ込む所を間違えてる…」
「篠田くんて馬鹿か?」
「篠田、俺俺」
呆れる慶輔と祐樹、そして俺の肩に手を置いてニヤリと笑う槙。
「槙、お前邦久っつうの?」
「お〜
って、最初に自己紹介した時にフルネーム言ったんだけど…(笑」
「そうだったっけ?」
全く記憶に無い。
その時は確か、黒翼のマキに正体がバレないか心配で名前覚えるどころじゃ無かった。
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