篠田学園-1部-
5
「知られたくねぇ…?」
「理事長の義息、しかも篠田一族でハーフ…
そりゃ訳ありでしょう?」
龍太はニコリと笑うと携帯を取り出す。
「こうゆうのは、リクに頼むのが一番だと思うよ」
「調べるならとことん…ってか?」
俺はゆっくりと目を閉じると、肺深くまで吸い込んだ煙をゆっくりと吐き出した。
「篠田の、クラス……行って来る…」
あれから3週間。
篠田の情報は未だ皆無のまま、文化祭当日を迎えた。
「正俊、待てよ」
生徒会室に来て、財布を持って立ち去ろうとする正俊を俺は呼び止めた。
「何、蓮」
「俺も行く」
「来るな」
「嫌だ」
「死ね」
「…じゃあ俺は1-Aに行く
別に篠田の所に行く訳じゃねぇし♪」
「死ね
勝手に、しろ
中庭の噴水で…溺死すれば、いい」
ふんっと鼻を鳴らして踵を返す正俊の後に続いて、俺は篠田のクラスへと向かった。
途中、有り得ない組み合わせの俺と正俊を見て、やけに興奮した様子の生徒が正直ウザかった。
「いらっしゃ……正俊先輩と会長!?」
「指名、篠田…頼む」
「は、はははいっ、少々お待ち下さいっっ」
VIP席に案内された俺らは何も会話することなく篠田を待った。
正俊は終止不機嫌で眉間に皺を刻んでいる。
俺は携帯を取り出して弄る事にした。
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