篠田学園-1部-
3
「生徒会長と倉木正俊先輩のご注文ですVv」
「え゙…」
どんな反応するかな〜って言ってみたら、案の定真っ青に。
「浜中くん〜?」
目の前で手をヒラヒラとさせてみると、突然キョロキョロしだした。
「き、聞こえてねぇよな!?」
「あの人達VIP席、聞こえてたらかなり地獄耳だろ」
「よかったぁ〜」
あからさまに安堵の溜め息を吐く浜中に、俺は思わず笑みを零した。
「珈琲持って来ました〜」
「遅い」
「はい、正俊」
文句を言う蓮を丸無視して、俺は持って来た珈琲を正俊の前に置いた。
蓮は若干不機嫌そうに持っていた携帯に目を落とす。
「あ、正俊メアド交換しよ」
蓮の携帯を見てふと思い付いた俺は、ポケットから自分の携帯を取り出した。
「赤外線……送る」
心なしか機嫌の良い正俊の隣に座り、赤外線を受信する。
直ぐさま登録して俺のデータも送信すれば、小さく笑う正俊の姿。
「いつでも…メールして」
「ん、じゃあ俺行くな
ゆっくりしてけよ?」
「ん」
正俊の笑顔に俺の機嫌も良いまま、俺はホールへと戻る。
ふと、蓮がやけに静かだったのを思い出したが、敢えて忘れる事にした。
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