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王都学園


「あー今日ので余計な騒ぎになるな、すまん」

「いや、俺も来るのが少々遅かったのも事実だ」


風紀室にあるゆったりとしたソファにグッタリと二人で座る。



「まあ、あいつの容姿にはびっくりさせられたが」

「ああ。だが好都合だ」

「だな。あんだけの容姿なら親衛隊からの嫌がらせが減って、逆に親衛隊でもできるんじゃないか?」

「これで護衛がいらなくなる」

「仕事が減って良かったぜ」



同時にため息を吐く。
俺が行く前からあのウザイ久香の相手をしていた青柳は相当疲れただろう。



「……なんか飲むか?」

「いや、いい。ちょっと横になりたい」



俺の膝に頭を乗せてソファに足を投げ出した。
所謂膝枕だ。



「なんか堅いの想像したけど、意外に気持ちいいな」

「それはよかったな」


青柳のサラサラの金髪頭を梳く。
指通りが滑らかで気持ちよい。


「………その、触り方…なんか、色々とヤバい…、ん…気持ちいい」


しばらく撫で続けると、青柳がだんだんウトウトし始めた。

――このまま眠ってしまえばいい。

いつも色っぽい雄のフェロモン垂れ流しのようなこいつだが、寝顔はあどけない。











しばらくそのまま頭を撫で、あどけない寝顔を堪能していたらだんだん物足りなくなってきてしまった。

長くふさふさした睫だとか、薄く開いた唇だとか、時々聞こえる寝息に心臓が少し跳ねるからだ。

――こいつ、こんなに可愛いかったか?



かなり深く寝ているようだし、多少動かしても起きないと踏んで消して小さくはない青柳を抱き上げる。


表には出さないが、最近の疲労が溜まっているのだろう。心なしか前より軽く細い。


風紀室に備えついている仮眠ベットに横たえる。

俺はもう一仕事と思い、青柳の側を離れようとすると、寝ぼけ眼の青柳が俺の制服の裾を掴んでいた。



「……どうした?」

「お前も……フミも……えっと、もうちょっと頭撫でてろ、よ…っ」



自然と顔が綻んでしまった。


青柳が開けた俺の分らしいスペースに入り込み、青柳の腰を引き寄せ、もう片手で頭を撫でる。

自らすり寄ってくる青柳が可愛い。




――ああ、これで今日の分の仕事は持ち越しだな。









「おやすみ、帝」

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