飼い犬になります
3
たまり場についたら俺は旬介を総長の部屋に送り届けて、色さんに報告しに行く。
友達っていっても旬介は総長の猫だし、下っ端の俺が一緒に居てはいけないのだ。
まあ、チーム内での約束だから、チームが絡まなければ普通に駅前で遊んだりとかはできるんだけどな。
そして俺はこの時間が大好きだ。
報告する為に色さんと少し話たりできるから。
チームには階級があって、総長とか副総長、幹部や猫は特別だからさっきも言ったとおり、下っ端の俺が上の人と交流を持てる場面は限られている。
色さんは割と気さくにチーム内のみんなに話かけたりしてるから、他の上の人とは違ってけっこう接点がもてたりもするんだけど、俺なりのけじめとして、節度は守っている。
本当は金魚のフンのごとく引っ付いてたいけどな。
やっぱり憧れの人の近くにいたいじゃん!
「色さん!今日も無事しゅんす……じゃなかった!猫さんを護衛しました!」
「うんうん。えらいえら〜い」
危なくチーム内なのに旬介の名前で言うところだった。色さんの前だと変に緊張して感情とかなんかいろいろコントロールができなくなるんだ。
あと、色さんはこうやって護衛のご褒美とばかりに俺の頭をポンポンとしてくれる。
それが嬉しくて思いっきりデレデレとした顔になってしまう。
「ぶはっ、わんわん顔すご〜い。そんなに尻尾ブンブンふっちゃってさぁ〜」
色さんは旬介をにゃんにゃんと呼ぶ。
で、俺は名字で呼ばれてて正直旬介に嫉妬したけど、旬介がよく俺に言う『バカ犬』を聞いて俺のことを『確かに犬っぽいね』って“わんわん”って呼んで貰えるようになった。
旬介に少し感謝した。
色さんの前だったら俺は忠犬になれる。
「色さんに頭撫でてもらったら尻尾だって振りたくなりますよ!」
ついつい興奮した口調になってしまう。
「んー、にゃんにゃん可愛がってる須藤見てさぁ、俺もペット飼いたくなっちゃったんだよねぇ〜。わんわんイイコだし、飼ってあげようか?」
………え?
なんか凄く夢のようなことを言われてる、俺?
返事は当然
「よ、喜んで!!ご主人様!」
イエスだ!
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