[通常モード] [URL送信]

飼い猫になりました

これはどういう状況なのだろうか。
この辺一帯を絞めているという不良グループの総長様が、俺を膝の上に乗せ、さらに服の中に手を忍ばせているという不可解な状況、だ。



「あ、の」

「……………」


もぞもぞと止まらない手に戸惑いを隠しきれなくて、思い切って声をかけるも怖くて返事をもらえるまでに至らない。

マズいとわかっているのにチキンな俺はされるがままだ。



プチプチとワイシャツのボタンが外されていく。
学ランはとっくに開けっぴろげにされているけど。



どうしようどうしよう!


頭が追いつかないよ!


うなじに生暖かいものが這っている。


…………まさかな。


状況打破のために、使えない頭を使えないなりに回転させる。




「ひぁあ!」

ビクゥと体が跳ねた。




タダでさえも視線が集まってるのに、俺の情けない声で更に視線が集中する。

そう、ここは総長様のグループのたまり場だ。
当然グループの人がわんさかいる。





「にゃんにゃん気持ちいいの〜?須藤〜にゃんにゃんもっとだってぇ〜」


フラリと目の前に来た、副総長が意味不明なことを満面の笑みで言っていなくなった。顔はかっこいいのに頭弱いよ!
だいたい『にゃんにゃん』はない。俺は虎谷旬介だ。猫じゃなくて虎なのに。……………って問題はここじゃない。



ものすごい熱っぽい視線を感じて、視線の主を恐る恐る見上げた。

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!