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「へっへたれじゃねえよ!つーか桐之院!おめぇいい加減に光さんの好きな奴教えろよ!」


なるほど、ヘタレっぷりを発揮している。
この人、なにをそんなに恐れられてるんだろうか。



「はぁ…。こいつ」

陽は、私を指差した。

「光のファーストキスの相手」


風紀委員長の目が光った。
それも、百年越しの仇討ちでもしそうな目だ。
簡単に言うと、殺意だ。


絡まれる前に私は先手を打つ。


「風紀委員長さん。言っておきますが、キスしたのは、小学生の時です。俺と陽と光はた・だ・の・幼なじみです。したのは…ええ、キスがなんだかわかっていないガキの時です。だいたい、それには訳があるんです。陽が私にキスをして、仲間外れだと感じた光が私にしたんです。わかりましたか?わかりますよね?子供の遊びなようなものです」

あまりにイライラして、途中で私って言ってしまった。



「そ、そうか…そうだよな……ハハッ。お前も幼なじみだったのか…新入生!挨拶良かったぞ!俺は風紀委員長やってる、木村海(キムラカイ)だ。よろしくな!」

「はい。こちらこそ」

木村先輩がバカでよかった。と思わずにはいられない。

「浅香、だったよな?お前、噂すげーぞ?その…あの難攻不落なノーマルだと言われていた桐之院陽を落とし、尚且つ、爽やかさで大人気な野木星弥とも仲がよいって…」

「木村先輩、誤解しないでくださいね?陽も俺も星弥もノーマルだし、友人です」



どいつもこいつも、男同士って所にはやはりつっこまない。


全寮制男子校、恐るべし。

だいたい私、女だし。
自分で男同士って………


だれも私を女だとは疑わないし、やさぐれそう。

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あきゅろす。
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