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いろいろ面倒になってきた私は「海外でもべつにいいかなぁ」なんて思いはじめていた。
すると、話を聞きつけた幼なじみのお父さんが
「私の経営している学園にこないかい?ほら、中学校から陽が通っている」
と言ってくれたのだ。
そして私は何かが引っかかった。
両親はこんな良い話!
と喜んで相談している。
陽か…
私が引っかかりについて思案している間にも勝手に話はまとまっていく。
「きいちゃんなら頭が良いから、特待生入試で学園生活に関わる全ての金額をただにできるし、もし特待生入試でなくても、昔から陽の面倒をよくみてくれたきいちゃんは私の娘でもあると思っているから、それでなくてもタダにするよ」
「まあ、太一さん、ありがとうございます〜」
「じゃあ太一の言葉に甘えて、特待入試を受けさせるよ」
「あ」
私は気がついた。
なんでこの人たち気がつかないのか。
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