2 今は初めての食堂で、少なからずワクワクしていたのに、台無しだ。 なんせ周りが煩い。 なんでも、生徒会役員が勢揃いしているらしく、キャーキャーキャーキャー、まるで女子のような黄色い声が所々できこえるのだ。 あれ?ここって共学ですか? 「きいちゃんあからさまにやな顔してるね」 「星弥はやじゃないの?」 「俺は自分に被害がなくて、生BLが見れるならこんなん余裕」 右隣でニコニコしている陽もたぶん同じ理由なのであえて聞かない。 あーあ、明日からは何が何でもお弁当にしよう。 特待生の特典で、食堂利用もタダだったけど、毎日こんなんだったら、やってけない。 よし!そうと決めたらここは、さっさと注文してさっさと違う場所に行こう。 「きい、注文の仕方教えてないのに良くできたね」 「説明されるまでもないから大丈夫」 「流石主席っ!」 「バカ!星弥声デカい」 星弥は空気の読める子だと思っていたのに! タダでさえ人気者の陽と一緒で、絡まれたら厄介なのに。 「わ、悪い。なんか今、凄い興奮してて制御できなかった」シュンとして、まるで飼い主に怒られた犬みたいで、怒るにも怒りが萎えてしまった。 それに、幸い生徒会効果で誰にも絡まれることはなかったので、許すことにした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |