[携帯モード] [URL送信]


コソコソ話は絶えないけど、体育館につく頃には気にならなくなっていた。


慣れるって怖いなぁ。


席はクラスが分かれていれば自由だったみたいで、当然のように陽は私の隣に座った。

しかもベタベタくっついてくる。
小学校の頃はまだしも、高校生になってもこれか、こいつは。




「陽、おっはー」

「はよー、星弥」


黒髪で爽やかな雰囲気な男の子が陽に話かけた。

ここに来てから陽に話かける人が一人もいなかったので、私は爽やか君を凝視してしまった。



「紀一ちゃん、きいちゃんだね?俺は中学からの陽の友達で腐った仲間の野木星弥(ノギセイヤ)。よろしくね」

「野木君は、わ…俺のこと知ってんの?」


危ない、私って言うところだった。


「星弥でいいよ、きいちゃん。陽から耳にタコができるほど話を聞いたからね。事情も知ってるし、気兼ねなく話てね」

「あ、ありがとう。よろしく」



腐った仲間って言ってたけど、あまりの爽やかな挨拶にドキドキしてしまった。


爽やかって危険。



「おい、バカ星弥!俺の紀一口説くなよ」

「わりぃわりぃ。聞いてたより可愛いからさ、紳士な俺は優しく対応したまでだよん」


星弥は爽やかな見かけによらず、マシンガンのごとくしゃべる。

なにげに陽は“俺の”って…

私はいつからお前のになったんだボケ。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!