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コソコソ話は絶えないけど、体育館につく頃には気にならなくなっていた。
慣れるって怖いなぁ。
席はクラスが分かれていれば自由だったみたいで、当然のように陽は私の隣に座った。
しかもベタベタくっついてくる。
小学校の頃はまだしも、高校生になってもこれか、こいつは。
「陽、おっはー」
「はよー、星弥」
黒髪で爽やかな雰囲気な男の子が陽に話かけた。
ここに来てから陽に話かける人が一人もいなかったので、私は爽やか君を凝視してしまった。
「紀一ちゃん、きいちゃんだね?俺は中学からの陽の友達で腐った仲間の野木星弥(ノギセイヤ)。よろしくね」
「野木君は、わ…俺のこと知ってんの?」
危ない、私って言うところだった。
「星弥でいいよ、きいちゃん。陽から耳にタコができるほど話を聞いたからね。事情も知ってるし、気兼ねなく話てね」
「あ、ありがとう。よろしく」
腐った仲間って言ってたけど、あまりの爽やかな挨拶にドキドキしてしまった。
爽やかって危険。
「おい、バカ星弥!俺の紀一口説くなよ」
「わりぃわりぃ。聞いてたより可愛いからさ、紳士な俺は優しく対応したまでだよん」
星弥は爽やかな見かけによらず、マシンガンのごとくしゃべる。
なにげに陽は“俺の”って…
私はいつからお前のになったんだボケ。
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