4
ああ、失敗した。
だって自分でも確信したもの、満点だなーって。
忘れてたわ。
ここが全国でも有名な進学校なこと。
「これで紀一は俺と一緒にいなくてもみんなに注目されるな」
語尾に星が見えた私は重傷だろうか。
「しかも実はね、中学から持ち上がりのはずの俺の同室者が変わったから、みんなその人についても噂してたんだ」
なんでこいつはこんなに嬉しそうなんだろうか。
「でも安心して、四六時中紀一にひっつくことにしたから」
私男の子だったらこんな気苦労いらなかったなぁ、なんて現実逃避しても許されるよね。
「紀一聞いてんの?」
「うん。とりあえず私はここでの平和な生活は無理だってわかった」
三年間の短い平和だったな。
私は私に手を合わせた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!