８
そして、最初の親衛隊うんぬんの話に戻る。
昔は“女の子”のやっかみを主に受けていた。
ここは男子校。
親衛隊といえども、恋慕っているわけではなく、憧れの延長くらいだよなあ。
でもいじめするくらい憧れてんの？
「きい、考えてることはわかるけど、よーく考えてみて」
「何を？」
「ここは男子校だよ。しかも中・高一貫の全寮制。女の子はいないんだよ」
「何言ってんの？わかってるよ」
「わかってないよ。つまり、飢えた思春期男子は、同性でも恋愛対象にしちゃうわけ！」
「そんな、BL小説じゃああるまいし…………」
「じゃあさ、BL小説の舞台で一番多い設定は？」
私は陽のくどい問いかけにうんざりしはじめていた。
でも、言いたいことはうすうすわかってきていた。けどわかりたくなかった。
そんな…まさか………
うそでしょう……………？
「全寮制男子校………」
「ビンゴ！俺人気だから、気をつけてね」
陽はウインクして、誰もがとろけるような笑顔で言い放った。
同時に私は背筋に冷や汗が流れだのだった。
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