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夢小説 OP
お前が俺に惚れたんだろ
初めて会った時の印象は悪そうな人だった。
この船で一番海賊に見えたのがバンさん。
話していくと不思議な人で、飄々としていて掴みどころがないかと思えば、なんでもできるけどなにもできない不器用さがあって
34歳、自分より10歳以上年上。
そんな人に恋をするなんて予想もしてなかった。



「バンさんバンさん!」
「あ?どうした名前」

タバコを口にくわえ甲板でタバコを吸うバンを見つけた名前は嬉しそうに表情を緩めバンに駆け寄った。
普段あまりタバコを吸わないはずのバンが珍しいと思いながら隣に並び手摺りにもたれかかった。

「珍しいですね、タバコ」
「そうか?あー、お前が見てないだけで吸ってんぞ?」
「わざわざ隠れて吸ってるんですか?」

そう問いかけるとまだ吸い始めであろうタバコを灰皿に押し付けた。吸い始めたばかりなのになぜ消すのか不思議そうに眺める名前の頭をわしゃわしゃと大きなバンの手が撫でた。

「これから結婚して子供生むかもしれないお嬢ちゃんの前で吸えねぇよ」
「っ・・・」
「ん?どうした名前嬢ちゃん」
「おっさんのくせに無駄にイケメンですね」
「おっさん関係ねぇだろ」

びしっと軽くチョップをしけらけら笑いヘアバンドを直す姿に少し見惚れていると小さくため息をついた。
必ず嬢ちゃん、そう呼ぶバンに毎回恋愛対象ではないといわれているようで苦しかった。
自分の気持ちに気づいて遠ざけているのではないかとまで思い出した名前だった。


「それで、どうしてこうなる」
「相談をしにきたんです、背に腹はかえられませんから」
「そうか・・・しかし人選間違ってないか?」

名前はペンギンを呼び出し誰もいない食堂で向かい合って座り深刻そうな表情で今までの経緯を話した。自分がバンに惹かれていること、遠ざけられてるかもしれないということ悩み全てぶつけてみたのだ。

「まぁ、バンはそういうの鈍そうだしなぁ、それに・・・」
「それに・・・?」
「・・・どういう形になったかまではしらんが、あいつ島に女いたぞ」
「・・・はい?」

ペンギンの言葉に名前は固まった。その可能性も考えなかったわけではない、年齢的に結婚していてもおかしくない、それでも考えないようにしていた。

「え、じゃぁどうして船に乗ったんですか?島で幸せに暮らすことも・・・」
「彼女に背中押されたんだと。お前には酷な話だが、バンはやめとけ」

傷つくだけかもしれないぞとつぶやきコーヒーを置いて出て行くペンギンに名前は放心状態になった。
やめようにも気持ちをどうすることもできなかった。

「お悩みのようだねン」
「わかめ!」
「ミスターだからねン、ライバルのよしみでアドバイスしてあげるよ」
「なんでいるの」
「さぁねン。バンちゃん、彼女に振られてるよン。これからの頑張り次第じゃないン?」

ペンギンが置いていったコーヒーをミスターが飲み干しにっこりと笑い名前の背中を軽く押した。

「もっとあがいてみなよン」
「っ・・・黙ってよわかめ!」
「はいはいン」
「あー・・・やっと終わった・・・」
「「バンさん(ちゃん)」」

船の整備が終わったのか肩を回しながらバンが食堂に入ってきた。
ミスターは静かに食堂から出ようと動きバンの肩を軽く叩いた。

「なんだ、あいつ」
「バンさん!!」
「あ?」
「すきです」
「ああ、俺も好きだよ」

意気込んだ告白をさらりとコーヒーを入れながら返され名前が机に突っ伏しているとバンはおおきな手で頭をなでた。

「どうした?」
「私は、好きなんです!仲間じゃなくて、だ・・・男性として!」

名前の言葉にバンの表情が少し硬くなった。
コーヒーを一口飲みコップを机に置くと名前をみてさみしげに微笑んだ

「気持ちには答えられねぇ」
「それでも」
「今はな、まぁ・・・海賊ならほしいもんは自分で手に入れるんだな」


お前が俺に惚れたんだからな

(アタックしますからね)
(素直にされるかはわかんねぇぞ)
(意地でも手に入れます)
(まぁ頑張れや)



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あきゅろす。
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