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 少女の名前はモーダ。ミルク売りの少女だ。エースが流れていたところを助けてくれたらしい。ネオは速攻エースの頭を掴み、無理矢理下げさせると同時に頭を下げる。
「本当に、本当にありがとう……! こんの馬鹿が間抜けなことばっかすっから、本当にありがとな!」
「そんな……」
 大袈裟なお礼に、モーダは笑いながら答える。そうだ、と何かを思い付いたのか、ネオはいきなり顔を上げた。
「なんかお礼させてくれよ! って、これってエースのセリフだろ」
 そう言いつつ睨むネオに分かってるさ、と腰に手を当て、威張るように言った。
「モーダの悩みを解決だ、それがお礼」
「へえ、エースにしては気が利くんだな」
「俺にしてはってどういう意味だよ」
 二人のコントに笑うモーダ。

 エースは早速船を出すようだ。エースたちの目的はあくまで黒髭。ここに黒髭がいないのなら長居する必要は全くない。
「じゃあ、俺たち行くな」
「はい、よろしくお願いしますね」
 任せとけ、とエースは手紙をひらひらと振った。ネオも小さくなるモーダに手を振った。

 モーダが見えなくなったところで、エースの方へ体を向ける。手紙の届け先をそういえば聞いていないなあと、エースに聞いてみる。
「その手紙は誰宛なんだ?」
 ネオの言葉に、前を向きながら、うーんと唸るエース。
「海軍にいるあの子の両親」
「海軍?!」
 聞き捨てならない単語に、ネオは思わず、身を乗り出して聞き返した。
 いきなり叫んだことに驚いたのか、エースは落ちそうになりつつ、お、おうと、返す。だが、ネオは相変わらず身を乗り出している。

「海軍って、海軍?!」
「それ以外に誰がいるんだよ」
 エースのため息混じりの言葉にネオは身を引き、いつものように座る。そして、そうか……と呟いたあと、何かを思い付いたのかにやりと笑う。
 エースはどうした、と聞くが明らかに怪しい口調で何にもと返す。完璧に何かを企んでいる顔だ。
 そんなネオにエースはため息をつく。
「お前は船で留守番だ」
「な……! 何でだよ!」
 やっぱり、とでも言うように大きなため息を吐いた後、エースは振り返り叫んだ。
「自分の立場をわきまえて少しは自重しろ! あほ」
 そんなエースの言葉にぶつぶつ言いながらも強制的に頷くを得ない状況になり、仕方なく頷く。
 そこに目的の海軍基地についた。








あきゅろす。
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