エースの目にネオが映る。たくさんの男を飲み比べて潰していくネオにエースは怒りに拳を握りしめていた。
そして、ネオの名前を叫ぶ。驚くように振り返ったネオに見せつけるように新聞を破り捨てる。ネオの目は見開かる。あたりはどうしたんです、と聞いてくるが、ネオは首を横に振り、何でもないと答える。
エースは紙屑になった新聞を海へと流す。そして、ネオの元へ歩き、宴を再開しようと、酒をイッキ飲みする。
「気にするな」
「……エース、俺」
「お前のことは俺が一番良く知ってる」
エースの一言はネオの心に落ちる。笑いかけてきたエースにおう、とネオは笑い返す。
それを見たエースはまた酒をイッキ飲みした。
ネオは人殺しさえも好まない
エースはそう考える。
ネオを海賊に入るように言ったのは間違いだったのか。
エースの思考回路はネオの愛のキックにより、一時停止された。振り返れば、酒瓶を両手ににかにか笑ってるネオが立っていた。
「何しけた面してんだよ、酒が不味くなるだろー? ほら、飲めよ」
片方の酒瓶を渡してきたネオにエースはそうだな、と笑い、酒瓶を受け取って飲みほす。
「エース、俺は海賊になって良かったと思ってるよ」
ふと、そんな声が聞こえた気がしたエースはネオの方へ振り返ったが、すでに他の男たちと飲み比べをしていたため、本当だったのかは定かでは無かった。
「美味かったあ」
エースが船の中で死んでいるが、ネオはけろっとしていた。エースの寝息が聞こえることから、眠っていることが分かる。エースのストライカーを波を操り動かすネオは、ふと夜空を見上げる。きらりと流れ星が落ち、ずいぶん遅くまで飲んでいたことが分かる。
夜は冷え込むが、酔いのせいなのか、何も感じない。あたりはずいぶんと静かだ。
「……流れ星か」
空を見上げている間にずいぶんと星が落ちる。流星群なのだろう。海の上はよけい綺麗に輝く。
「流れ星っつったら願い事だよな」
よし、と意気込んで流れ星が流れるのを待つ。じーっと待っていると、きらっと流れる。
「金金金……」
言い切ったかは定かではないが、自己満足する。
「ああ、でも……」
ふと、別の考えが思いつく。また長いが流れるのをじっと待つ。また、きらっと流れた。
「エースを救う×3!」
せこっという突っ込みはなしで。これで願いが叶うかは皆さんの想像にお任せする。
「目標、ネオリスを発見しました」
「ご苦労」
一人の男がネオのことが書かれた新聞を手に、二人を見つめていた。口には笑みがこぼれ、踵を返す。
「襲撃しますか?」
「いや」
部下と思われる男の質問に踵を返した男が返す。
「白髭海賊団、二番隊隊長、ポートガス・D・エースが一緒にいる」
「火拳が?」
驚くように言った部下に、男は口元に笑みを浮かべる。
「一人になったとこを狙う。見張っとけ」
「はっ」
怪しげな影は、闇へと消えた。
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