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 バナロ島を出港したネオたちはその後、シャボンディ諸島を目指した。出港から4日、シャボンディ諸島へと足を踏み入れる。途中、海賊に襲われることもあったが、時間を無駄にしたくないネオがさりげなく波を操り、船を遠ざけた。そのおかげで早くシャボンディ諸島に着くことができたのだが、ルオンたちがそれに気づくことはなく、運が良かったなと笑う。
 シャボンディ諸島に着いたネオはルオンに耳打ちした。
「これからどうしても行きたい場所があるから、ちょっと行ってくる」
 フラジャ島で買ったパーカーを着、深々とフードを被ったネオを見ると、その腕を掴んだ。びっくりしたような表情を浮かべるネオにルオンは静かに言う。
「今、シャボンディ諸島にはたくさんのルーキーがいる、その中には危険な奴らが多い」
 ルオンはそう、早々言うと、腕を離し、目を伏せた。
「俺も行こう、シャボンディ諸島に関しては多分俺の方が詳しい」
 その言葉を聞き、でも、と言葉を濁したネオだったが、ルオンの目を見、頷いた。


 *


 ネオがここに来た目的は、本当はここにルオンたちを置いて行くというものだった。なぜなら、これからネオはインペルダウンへ行こうと考えていたからだ。地上からでは難しいかもしれないが、ネオなら水中を行くことができる。まるでそれを察したかのように、ルオンが着いて来たため、内心焦っていた。
 仕方なく、ふらふらと歩くネオの前に現れたのはカジノだった。
「カジノだってさ、たまには遊んでいかない?」
 ネオが悪そうな顔をすると、金はどうするんだと呆れながら二人は中へと進んで行った。
 ポーカー、スロット、ルーレットと手持ちの10万ベリーからスタート、一時間後には1000万ベリーまで跳ね上がっていた。
 最高潮なネオの周りにはいつの間にかギャラリーが出来る。あたりを見回し、焦るようにルオンが耳打ちした。
「お前がこんなに強いとは思ってなかったぞ」
 びっくりとしか言いようのない顔をしてるルオンに怪しい笑みを浮かべるネオはまたもルーレットで大勝した。

 一通りゲームを楽しんだ二人、もといネオははじに設置されたバーで一息着いていた。
「いやあ! 楽しかった!」
「まさかこんな才能があったとはな、まさかちょろまかしてたりしないだろうな」
 ため息混じりのルオンにネオは笑った。
「まさか、あんな海賊いっぱいのカジノでちょろまかしてるのバレたら殺されちゃうじゃん?」
 笑ってるネオの前でゲームに大敗している男が目に入る。それは何処かで見たような顔だった。
「……仕方ない、ヒューマンショップでもいくか」
 その男はそう、一言つぶやくとカジノを出て行った。





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