[携帯モード] [URL送信]




 ネオがかつかつと往復する前に男ども(エースやバギーを含む)は正座をし、俯いている。全員が恐怖に青ざめ、冷や汗をだらだらと垂らしている。
「エース、俺を海に落としたのはわざとか?」
「め、滅相もございません!」
「ふうん、人の船でばか騒ぎしてるのにそんなことが言えるのか」
「いや、楽しんでたよな?」
 エースがバギーへと振れば、もちろんだ! な、みんな! と、全員が一致団結する。ネオはそれを見ると、にっこりと微笑んだ。全員が真っ青になる。
「へえ、じゃあ、全員一致で宴をしてたんだな?」
「ああ、だからネオも飲もうぜ!」
「宴再開だ!」
 その瞬間全員が立ち上がり、先ほどの反省はどこへやら、全員が騒ぎ始めた。ネオはそんな姿にため息混じりに笑っている。そこに、同じくため息をついていたアルビダの隣に腰かけた。
「全く、男どもは馬鹿ばっかりだねえ」
 アルビダの言葉に、確かにと笑えば、あんただって男だろ、と呆れ顔で言われてしまう。そういえば、確かにそうだと、ネオが笑えば、オカマでもやってたのかい、と笑われる。 酒でも飲めと、促される二人だが、アルビダは断り、ネオは一杯だけもらい、口に含む。このとき、未成年……という突っ込みは忘れていただきたい。
 アルビダは新聞に目を遠し始めた。
「世も末だねえ」
「何がですか?」
 アルビダが新聞を読んでいる時に、そんなことを呟く。暇だったネオはその言葉に問いかける。
「女人国の話さ、酷い話だねえ」
「ぶふぅっっ?!」
 含んでいた酒を思わず吹き出す。それを見て、汚いよ! と叫んだアルビダに謝ると、その記事について聞く。
「『"エメラルドエラール"が消滅、主犯は名もない1億の賞金首。この事件から政府は賞金を大幅に5億に上げることを発表。また、情報も1億で取引される』だってさ」
 ネオは固まって動かない。アルビダが不審に思い、顔を覗き込んだ瞬間立ち上がり、新聞を取り上げ、全てに改めて目を通す。アルビダは呆れた顔をして、ネオの飲みかけを飲みほす。
 固まっていたネオは手を震わした。それに気づいたアルビダはどうしたんだい? と、聞いてきた。
「あ、あは、あははは……」
 いきなり笑い出したネオに全員が静まり、注目する。

「ネオ……? どうし」
「飲むぞ、エース! とことん飲むぞおぉおぉお! おら、てめェら付き合えぇえ!」
 いきなり叫んだネオにあたりはぽかんとしている。だが、ネオは落ちていた酒瓶片手にイッキ飲みすると、どうした、飲め! と促し、また騒がしい宴が始まった。
 エースはアルビダの元へ行き、何があったんだ? と聞く。アルビダはため息を吐いて、ネオが落としていった新聞を指差した。
「あの新聞の女人国の記事を読んだら、あんなふうになったんだよ」
 それを聞いた瞬間、エースはその新聞を拾い、読む。それは、紛れもなくネオのことが書かれた記事だった。
 そこには"極悪非道、冷女"と書かれていた。









あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!