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※本編の言葉を一部省略しています、漫画(46巻)を片手に読んでいただけますと分かり易いと思います。
 

 ティーチの言葉にエースは首をかしげる。
「“闇”?」
「そうさ、エース隊長……おれはおめェにゃ殺されねェ……“悪魔の実”の歴史上……最も凶悪とされるのがこの能力、自然系“ヤミヤミの実”おれァ“闇人間”になったんだ! その実力の程は……今すぐ見せてやる」
 そう、自信気に言うティーチにエースは不敵な笑みを浮かべた。
「……好きにしろ」
 不穏な空気に町の人たちはもちろん、ティーチの実力を知る黒ひげ海賊団の一味はティーチを置いて逃げはじめる。ティーチの闇はエースを避け、村をのみ込み始める。
「“闇”とは“引力”! 全てを引きずり込む力! 一切の光も逃さねェ、無限の“引力”だ」
 ティーチの“闇穴道”という言葉と同時に、村は闇にのみ込まれた。のみ込まれ村は跡形もなくなり、新地のみが残された。しかし、“解放”の言葉で、その村はただの木片となった。しかし、エースがただ見ているだけのはずもなく、“蛍火火達磨”で反撃をした。自然系であるティーチの体は受け流すことはなく、その火を直接体にのみ込み、消えた。
「お前らと違って攻撃を受け流すことなどできず、おれの体はあらゆる“痛み”まで常人以上に引き込んじまう、だが、そのリスクと引きかえにもう一つ! 引きずり込める物があるのさ!」
 “闇水”と叫んだティーチの手にエースは引きずり込まれて行く。なすすべもなく、エースはティーチの手に引き寄せられ、腹に直接拳を食らった。ふっとばされたエースの口からは血がたれる。
「……おれの“闇”が引きずり込むもう一つのものは“悪魔の力”だ!」
 激しい戦いに、村だけではなく、島さえも崩れていく。ティーチは膝から崩れるエースに改めて言った。
「エース……! 俺の仲間になれ!」
 その言葉にエースは顔をあげ、笑った。

「……“力”に屈したら男に生まれた意味がねェだろう、おれは決して人生に“くい”は残さない……! ……わかったかバカ」

「……生きてナンボのこの世界……まったく残念だ、エース、闇に死ね!」
「“大炎戒”! “炎帝”!」
「ゼハハハ! 太陽か! 闇か! 勝者は一人だ!」
「……おれは白ひげを王にする」

 島が闇と炎に包まれる。目の前は光か闇か。この戦いが生むこの先の戦い、新たな世界の始まり。
 運命の別れ道。たくさんの人を巻き込んだ戦い。運命は歪む。


 *


 嫌な、予感がする。なんていえばいいんだろう。例えるならば、嫌な予知夢を見た時のような感覚。
「エース……」
 いまだ遠い、見えぬ島。その果てを見、ネオは後悔に押し潰されそうになっていた。ただただ、震える拳を握りしめる。ネオの知らない未来にある先は、闇か光か。



あきゅろす。
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