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 舞台は変わり、ここはバナロ島。ネオと別れたエースは黒ひげことマーシャル・D・ティーチを追い、この島へたどり着いた。
 町を悠然と歩くティーチの姿を見つけ、屋根の上からその名を呼んだ。
「おお……エース……隊長……!」
「よせ……今更“隊長”なんて……そういうのは人を敬える奴が使う言葉だ……バカにしやがる……!」
 それに気づいたティーチは笑顔を貼り付け、叫ぶように言った。だが、吐き捨てるようにエースは言葉を返した。
 ティーチと共に歩いていた仲間たちもエースを見つめる。
「……ほおあなたが……かの“火拳のエース”」
「ああそうだよろしくな……」
 一人の仲間が珍しいものを見るように言えば、エースは静かに返した。
 静かにエースは続ける。
「お前ももう……立派に船長やってるんだろ……? “黒ひげ海賊団”マーシャル・D・船長」
「ゼハハハ……何だよエース久しぶりだな! どうしたんだ?! なぜここがわかった!」
 口元は笑っているエースだが、目は全く笑わないまま、ティーチに問いかける。
 ティーチはそんなエースの問いかけに、逆に笑いながら質問を返す。エースはその質問には答えず、言葉を続けた。
「ティーチ不要な問答はやめようぜ、人の倍の人生を歩んでるお前がこの状況を理解できんわけがねェ」
「……ああわかった」
 エースの言葉にティーチは笑ったまま肯定で返すが、声を荒げた。
「……じゃあ……一つだけ話をさせてくれ、エース! お前……! 俺の仲間にならねェか?!」
 エースは無表情のまま、ティーチの話を黙って聞いている。ティーチはお構い無く、言葉を続けた。
「おれと一緒に世界を取ろう! 俺が成り上がる手段はもう全て計画してある! “白ひげ”の時代はもう終わりだ! 海賊王にはおれがなる! まず手始めに……この先のW7にいる“麦わらのルフィ”をブチ殺して政府への手土産にする」
「……ルフィ? 何だと?!」
 その名を聞いた瞬間、エースは眉を潜め、声を荒げた。
「ん?! 知ってるのか」
「……つくづく野放しにできねェな……そいつはおれの弟だ!」
「?!」
 ティーチはエースの言葉に驚いた表情を浮かべた後、少し考えた後、また笑うように声を上げた。

「ならエース、“麦わらのルフィ”は止めよう! だがそれ以上の大物だ!」
「なに……?」
 ティーチは手を広げ、空を仰ぐ、そしてゼハハハハと、独特な笑い声を響かせた後、またエースを見、静かに呟いた。

「“天使の実の能力者”であり、“ミズミズの実の能力者”であるネオとやらを捕まえようじゃねェか!」






あきゅろす。
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