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 ニヤリと目を細めたネオに焦りを隠さないままロンは叫んだ。
「どうせ強がりだ! 一気に叩くぞ!」
「それはどうかな?」
 ネオとロンは同時に走り出し、蹴り合い、殴り合いとなる。だが、一対一だとロンが劣り、ネオの一方的な展開になるが、カナンが応戦する。周りで黙って見ていた奴らもネオに向かって走り出した。
 ネオはカナンの腕を頭上へと向かって蹴り飛ばした。その勢いで、カナンの持っていた機械がネオの頭上へと上がり、誰よりも早くネオはキャッチした。
「何をする気だ……!」
 ロンは焦った様子でネオに叫ぶ。ネオは機械をかちかちと動かしながらこうやって動かすのかーなどと独り言をぶつぶつと呟いている。
 そして、ネオはまた小さく呟いた。
「死ぬ覚悟だ」
「聞いているのか?!」
 ロンの叫び声にネオはああ、と答えたロンに笑った。
「さあ、反撃開始だ!」
 そんな叫びと同時にネオは水となっている腕に機械を勢いよく刺した。
「な……!」
「さあ、覚悟しな」
 ネオはその電流を含んだ腕を自分の方へと引き付けうつ向き、ニヤリと笑った。
「水拳!」
 その瞬間、ロンたちの元へと勢いよく突き出し、全員を閉じ込めた。
 電気を含む水に全員が気絶し、窒息しする前に全員を下ろす。
 ネオはその場に座り込む。そして元に戻った腕を高々と上げた。
「勝ったああああ!」
 そのままどさりと倒れ込む。
「あー痺れる。早く行かねえと目、覚めちまうよな……」
「まさか、全員倒すとは」
 男の声に上半身だけ起こし、声のした方へと振り返る。そこには、こいつらの仲間であろうとシジェルがいた。
 伸びているロンたちを見つめ、ネオを見つめた。
「まだいたのか」
 焦るように呟くネオにシジェルは微笑んだ。
「俺はお前と戦う気はない。本来ならお前を連れて革命軍に入る予定だった」
「え? お前ら革命軍じゃ……」
「違う」
 シジェルの予想外の言葉にネオは聞き返すが、シジェルは首を振った。
「俺たちは海賊だ。まあ革命軍なら頼めば入れてくれるだろうが……俺たちは良い地位を求めるがためにお前を捕まえようとした」
 シジェルはそう言うと懐から袋のようなものを取り出し、ネオへと投げつけた。
「麻痺を治すものだ。好きに使え」
 そう言い残し、一人去って行った。







あきゅろす。
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