[携帯モード] [URL送信]




 ところ変わってネオ。反対側の港で海賊共が暴れているという話を耳にし、大急ぎで逆の港に向かっているところだった。
 さっきまでネオがいたところは海軍がいた。下手すれば逆の港の噂を聞き付け、やって来るに決まっている。
 もし、それがエースなら頭を痛める問題だ。

 服が買えなさそうなのは残念だが命が第一だ!

 駆け抜けて行けば、向かっているその先に火柱、というより爆発が起こる。やはり、エースだ。
「問題ばっかり起こしやがって馬鹿野郎!」
 叫ぶ。人の目なんか気にしてる暇はない。
 人混みを掻き分けて行けば、例のあの人の顔が見えた。傷を受けているように見えるのは気のせいだろうか。
 エース! と、名前を叫んでも、戦闘に夢中なのか聞こえていない。
 エースと戦闘している男が手を伸ばし、腕を掴もうとしていた。その間に入る。

「ネオ?!」
「反対側の港に海軍が来てる! 行くぞ、エース」

 そのままエースの腕を掴み、走り去ろうとしたが、エースを襲っていた男が逆の腕を掴んだのだ。
 振り返れば、にやっと、嫌な笑顔を浮かべた。
 だが、何も起こらず、男は眉を潜め、ネオはその隙に腕をはらい、船を目指した。





「お頭! 海軍が」
「おい、あいつ、俺がこの手で"かじろう"としたが、出来なかった」
「え?!」
 ルオンの言葉に、船員は驚きに目を見開く。
「"カジカジの実"はどんなものでもかじることの出来る能力。悪魔の実は違うが……ロギアなら受け流す際、その形に何か変化があるはずだ」
 船を目指しながら呟くルオンに船員は眉を潜めている。

「あいつに興味が沸いた……次に会えば正体をつきとめてやる」

 にやっと笑ったルオンに、全員の肌に鳥肌が立っていた。









 船についたエースとネオ。
 船出の準備に追われているエースを先ほどの特等席で、頬をついて眺めている。
「なあ、エース、まだかあ?」
「もう行く」
 そう言って乗り込んだエースは、足を炎へと変え、船を優雅に走らせる。エンジンが大きくなるにつれて、船は港から離れていく。

 風に髪をもて遊ばれながら、次の島までどれくらいかかるのか、不安になり、溜め息を吐く。
 そして、ふと、思い出してしまった。
「ああああああっ!」
「何だ、どうした?!」
 いきなり叫び声を上げたネオに、驚き、転けそうになる。


「服が……」
「何だ、服か」
「服か、じゃねえよ! あんなお気に入り、なかなかみつかんねえんだぞ! こんの、馬鹿エース!」


 どかっという音とともにエースの叫び声が響いた。












あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!