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 対峙する二人。びりびりと緊張が走る。ロンの後ろにいる者たちもジリジリとネオに近づいてくる。
 ネオがにやりと笑った瞬間、ロンに向かって走り出す。そのまま蹴りを入れるが、ロンは腕でガードし、そこから蹴りを入れるが、ネオは後ろに跳ぶ。その瞬間カナンがネオの後ろに入り、ネオに殴りかかる。
 それを横に避けるが、ロンがネオを蹴り飛ばす。その先には後ろにいた敵が目に入り、体勢を立て直しロンたちに改めて対峙する。ロンは笑っている。
「強いな。二対一とはいえ、ここまでやるとは」
 楽しげな笑顔にネオもそれに答えるようににやりと笑った。
「まあな。二対一でいいのか?」
 後ろに控えたままの敵を見つめ言うとロンは鼻で笑った。
「ふん、それは俺とカナンに勝ってから言うんだな」
 その瞬間、ロンとカナンはまた走り出す、ネオに殴りかかる。だが、ネオはその場から消えた。いや、水となり、その場から移動したというのが正しいだろう。
 人の形と戻ったネオはさして驚いていないロンたちを見る。
「驚かないよなあ」
「ああ、お前が天使の実の能力者でミズミズの実の能力者だってことは調査済みさ」
 カナンが笑いながら答える。そんなカナンを見、ネオは腰を下げる。
「ならなぜ全員で来ない?」
「あとで分かる」
 ロンとネオがほぼ同時に走り出す。ロンは蹴りを入れるが水となったネオにダメージを与えることができず、後ろに回ったネオに捕まってしまう。カナンがロン! と叫ぶ声にネオはため息混じりにカナンが言う。
「俺、そろそろ戻らなきゃいけねえんだ。そこ、どいてくれねえか?」
 ネオは、ロンを前へ着き出すとロンを水の玉へと閉じ込めた。
 宙に浮く水の玉に水のままの腕を突き出し、カナンに言う。
「このままだと……死ぬぞ?」
「うわああああ!」
 カナンはネオに向かって走り出す。予想外の行動にネオは一瞬怯み、逃げるタイミングを誤る。全ての者が持っていた棒をネオの腕に突き刺した。
「――っつ!」
 その瞬間、ネオは水となっていた腕を解除し、ロンもろとも離してしまう。あまりの衝撃にネオは膝をついた。
「電流を流すための機械だ。生身でも喰ううえに能力の水は電気を流す、残念だったな」
 確かに、とネオは舌打ちする。生身であっても能力を使っても効く上に、悪魔の実でないあの機械の電気を天使の実で防ぐことは出来ない。
「いい加減、諦めるんだな」
 笑うロンにネオはふらふらと足元をふらつかせながら立ち上がる。
「誰が……」
 あの機械に勝つ方法……ネオはニヤリと楽しそうに笑う。ロンは逆に眉を潜めた。
「そーだ。いいこと思い付いた」







あきゅろす。
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