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「そういえば……」
 ルオンは思い出したように口を開いた。
 ネオはルオンの方を見ると、どうした? と聞く。ルオンはネオを見、続けた。
「このあとどこへ行く? 進路はお前が決めて良いと言ったんだ」
 ルオンの言葉にネオは周りを見る。部下たちの反応が気になったのだろう。
 だが、部下たちは何も言わず、ただ、ネオの言葉を待っていた。
 ネオは少し考えるように俯いた後、決心したように顔をあげた。
「バナロ島に。どこかの島に寄ってから行きたい」
 ルオンは頷き、叫んだ。
「野郎共、バナロ島に行くぞ!」



 島を離れていく船を眺める者たちがいた。その者たちは先日、ネオを拐った、革命軍を名乗る人物たちだった。
 一人の女が一番の年配者と思える……ネオに質問したシジェルに声をかけた。
「いいのかい? 追わなくて。私はしっかり見たんだ。女人国であいつの目が金色に光るのを」
 女の声にその隣に立っていた若い男も声を上げた。
「そうだぜ、ポートガス・D・エースと別れたら捕まえる約束だったろ? なのに無理矢理連れ去って、結局あの様だ」
 ため息混じりに言った男に、シジェルは笑う。
「確かに。だが、この場で追っても我々には捕まえることはできないだろう」
 シジェルの言葉に二人は目を互いに合わせ、眉を潜めた。
 そんな二人の様子にシジェルは笑う。
「考えてもみろ。あいつはミズミズの実の能力者だ。つまり、水上であいつに勝てる者はいない……いたとしても、魚人くらいだろう」
 踵を返し、船を眺めていた場所から移動する。近くに留めてあった船へと乗り込んだ。
「島に下り、一人になったときに捕らえる。そして、あの能力に勝てる方法を考えるしかない」
 後から着いてきた二人は黙って聞いていたが女が、でも、と声を上げる。
「そんな方法があるかね」
 女の言葉にシジェルは笑いながら言う。
「あるさ、どんなに強い力でも必ず弱点はある、必ず」
 笑った男にその二人とは違った男が近づき、出航しますか? と尋ねた。シジェルは頷き、船の奥へと消えた。
 そんなシジェルを見つめ、女はため息を吐く。
「あんな嫌ってほど弱点が無さそうな能力に弱点なんかあるのかねえ……悪魔の実だって効かないんだろう? なあ、ロンはどう思う?」
 ロンと呼ばれた男は笑う。そしてシジェルに続いて奥へと歩いていった。女もそれに続く。
「あるんじゃない? あんなにシジェルが自信満々なんだ。弱点はあるとしても問題はそれをどうやって攻めるかなんだよ」
 多分ね、と笑い、ロンは去っていった。






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