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 眉を潜めたルオンに怒りを押さえていたエースは飛び込んだ。片手を炎に包み殴りかかればルオンはその場から逃げた。ルオンの船員たちもわらわらと逃げ始める。
 ルオンのいた場所はあっという間に燃え尽きた。逃げたルオンにエースは睨み付ける。
「白髭海賊団二番隊隊長……あの時以来だな」
 ルオンは睨み付けられることに怯むことなく、ニヤリと口角を吊り上げる。
「ネオをどこにやった」
「ネオ?」
 その名前を聞いた瞬間、ルオンはまた眉を潜めた。だが、エースはその様子に気付くことなく、また片手を炎に変え、ルオンの元へと駆け抜ける。
 冷静さに欠けるエースの攻撃は逆に、ルオンにこの状況をしっかりと把握させる冷静さを与えた。
 ネオという人物が自分の探していた人物であると特定させたのだ。
「ネオというのはお前と一緒にいた男の名前か!」
 納得するような叫び声にエースは逆に眉を潜めた。そんなエースを見てルオンはけたけたと笑いだす。
「なるほど、誰かに連れ去られたのか。ちなみに俺は連れ去ってなどいない。そんなめんどいことをするくらいなら堂々と襲っている!」
 その言葉にエースは睨み付けたまま足を止めた。
「なら何故ネオを見ていた!」
「探していたからだ」
「なら」
「だからと言って拐う理由はない。先ほど言ったように、用があるなら拐う何て面倒なことはしない」
 エースはだんだんと眉を潜め、なら誰が……そう呟き、はっと我に返ったようにルオンを見つめた。
「疑って悪かった……それより何でネオを探していたんだ?」
 また答えによっては攻撃を始めると言うほどに睨み付け、ルオンは肩をすくめた。
「簡単なこと、俺の攻撃が効かなかった、それに興味がわいただけだ」
 エースはあの時の事を思い出す。そういえば……とエースの頭にあることが思い浮かぶ。
 ネオの腕を掴んだこいつは何もせずにいた。そしてネオはそれをはらうことができた。つまり、この時にこいつは悪魔の実の力を発動させていたとしたら?
 そうだ。こいつは感づいているんだ。
 ネオが天使の実の能力者だということを。

「ネオを見つけてどうするつもりだ」
「ん? その理由を問い詰めるだけだ。俺にとって驚異だからな」
 もっとも、危害を加えないかは分からない、そう笑いながらいう。
 とりあえず、エースは肩をすくめ、ため息をつく。ここにネオがいないならここにいる理由はない。踵を返す。
「おい、どこに行く」
「ここにネオがいないなら用はない」
 そう言って去ろうとした瞬間だった。周りの部下に銃を向けられる。顔だけをルオンに向けた。その顔は笑っている。
「喧嘩を仕掛けたなら最後まで責任を持つんだな」
 ルオンは杖を握りしめた。






あきゅろす。
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