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 ネオはシジェルと名乗った男の言ったことに口をぽかんと開けたまま動くことができなかった。
 革命軍……詳しいことは知らないが、確かに覚えてる。葵が言っていた、革命軍のリーダー、ドラゴンはルフィの父親。そして革命軍は、海軍を……
「――革命軍の方々が俺に何か用ですか?」
 ネオの言葉にシジェルは肩をすくめ、笑った。
「君が"天使の実の能力者"なのは確かかね?」
 シジェルの言葉にネオは表情を変えることなく、笑う。表情を消すことには慣れている。ネオの表情に何かしら変化が現れると思っていたのだろう。シジェルは微かに眉を潜めた。
 ネオは考える。こいつらが探しているのは"天使の実の能力者"だ、なら、俺は"天使の実の能力者"じゃなきゃいい。
 そう、頭に打ち込む。そして、また笑う。
「冗談、何の証拠に俺が天使の実の能力者だって?」
 表情は至って普通に。ネオは自分を偽ることに長けていた。それは中学時代に身に付けたもので、抜けることはなく、嫌うこともあったが、このような形で役に立つならあながち嫌な中学時代ってわけでもなかったようだ。
 シジェルは黙る。
「天使の実の能力者のことは多少は知ってる、紫色の瞳、黒髪を持った女……確かに間違われることはあるが、確かな証拠はない」
 追い討ちをかけるようにシジェルに言う。あえて女であることは否定しない。もし身体を調べられればバレることであり、なぜ女であることを隠したのかと言われ、それを答えれば、自分が天使の実の能力者であると言うようなものだ。
 だからギリギリの真実を伝える。
「……確かに証拠はない」
「だろうな」
 笑えばやはりシジェルは眉を潜める。まるでネオが天使の実の能力者であると確信していたかのように。
「俺は天使の実の能力者じゃない、つまり帰っていいよな?」
 笑えば、しぶしぶシジェルは頷いた。




 あちこち走っていたエースは目的の人物を見つけていた。あの時こちらを見ていた人物。飯屋で酒を飲んでいるその男は何人もの男たちと一緒に飲んでいた。
 その中に一人図体のやたらでかい男が一人。その男を見た瞬間、エースは思い出す。そうだ、こいつらは……
「おい」
 げらげら笑いながら酒をイッキ飲みする男たちに声をかける。男たちは一斉にエースのほうへと視線を向けた。
「ネオを返してもらおうか」
 エースは図体のやたらでかい男はネオと出会い、初めての島で出会ったルオンという海賊だった。









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