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 恨むが現実が変わるわけもなく、問い詰められる。一歩また、一歩と下がれば、一歩、また一歩と近づいてくる男たち。
 これは何かのコントなのか?!

「失敬!」
「待てェ!」

 後ろから血相を変えて追いかけてくる男たちから必死の逃走劇を繰り広げる。何故こんなことにっ……! 元はと言えばエースが金を払わないのが悪い!
 自慢じゃないが、俺は無一文だ!

 走りながら路地裏へ隠れる。その瞬間、ミズミズの能力を使い、水道の中へと隠れた。走り去った男たちの背中姿を確認した後、元に戻る。
 とりあえず、エースを見つけなくては。
 路地裏をとりあえず歩く。
「あ、」
「お?」
 ばったりあった。

「ネオ、お前な! 食い逃げするなよ」
「あんたが言うな」

 会っていきなり説教をしたエースに溜め息を吐きながら答える。

「とりあえず、船に戻るぞ」
「ちょっ、ちょっと待った!」

 先に行こうとしたエースを腕を掴んで止める。いきなりのことで滑って転けそうになったエースだが、何とか持ちこたえた。 振り返ったエースは眉を潜めている。

「お前なあ! 転けるだろ!」
「ああ、はいはい」
「流すな!」

 叫んだエースにしーっと、指を口に当て言えば、エースは自分で口を押さえた。辺りをきょろきょろする。先ほどまで追いかけてきていた奴等はまだ来ていない。
 溜め息を吐きながら、エースの方を向く。

「俺はあの山に用がある。だから、先に船に行っててくれ」

 一番目立つ山を指差し、そう言えば、エースは眉を潜めた。まあ、急ぎの旅だし、仕方がないと言えば仕方がないが、俺もこれだけは譲れない。
 聞きたいことがあるのだ。

「あの山に登るのか?」
「ああ。しょうがねえじゃん。あの山の頂上に住む人に用があるんだから」

 そう言えば、エースは溜め息を吐いた。

「なら俺も着いていく」
「だ、駄目!」

 そんな俺の言葉にさっき以上に眉間に皺が刻まれる。怒っているのが分かるが、何故怒っているのかは、さっぱりだ。
 何で、と聞かれ、手を腰に当て、答える。

「ネタバレだからだ!」
「はあ?」

 わけわからんと言われたが、訳分からなくて結構と返した。エースは大きな溜め息を吐く。多分、これ以上何を言っても無駄だということが分かったんだろう。

「分かった。但しだ、今日中には船に戻ってる来ること」
「おう」

 そう笑って返し、踵を返した。さて、あの山にいるDr.くれはにどうやって会うか……








あきゅろす。
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