連載Diary
気まぐれに更新。
現在は「白虹」連載中。
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2008-12-03(水)
6
副長室の前に来ると数回のノックから来訪を伝えた。部屋主の土方はほんの少しの間の後、入れと許しを得る。その声がなんだか前ほどのも覇気が無いのは気のせいなのだろうか。
「失礼します」
ゆっくりと入り部屋主を伺えば、その先の鋭い視線とかち合って驚いてしまった。
「…山崎か」
まるで怒っているかのような睨みのはずなのに、恐れを感じない。視線の強さに比べて覇気の足りない物言いに困惑を覚える。
そして何より、線の細くなった身体が最も弱々しさを醸し出していた。今は事務仕事を行うためなのか、隊服の上着を脱いでるので、はっきりと感じることが出来た。
やはり何かが土方の状態をおかしくしている。根拠は無いが、直感を事実として受け入れた。
「用は?」
驚きのあまり言葉を忘れていた。資料を見ながら続ける。
「あ、はい。…少し、報告忘れがあったので来たんですけど…」
そして近付けば、近い視点から顔を伺う事が出来た。…頬がうっすらと痩けている。
「…資料、置いておくんで確認して下さい。まだ時間はあるのでゆっくりで良いです」
本来は相談の上でまとめ直したかったが、あまりの様子のおかしさに、これ以上の事を頼む事が出来なかった。
そうか、と事務的な会話はすぐに終わり、山崎はもう一度土方を見つめた。
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山崎大活躍しそうな予感
20081203
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