SS
2008-03-19(水)
窓際
「ねー、さぁちゃん…」
私のことを「さぁちゃん」と呼ぶコイツは、大きな窓の前でひなたぼっこをしている。日光が髪に当たって、綺麗。その髪の主は、とても可愛い。
「何、何か用?」
私は冷たく答える。
「さぁちゃんも、ひなたぼっこしよー?」
「気持ちいいよー」なんていいながらコイツは、にっこりと笑って、私の感情とか、色んなモノをぐしゃぐしゃと掻き回すんだ。
コイツのゆったりとした口調は、何というか…余裕をかましているみたいで腹が立つ。
「日焼けしたくないから嫌」
私たちは、付き合ってるわけじゃない。だから、私が勝手に余裕を無くしちゃってるだけで、コイツは悪くない。
「日焼けなんてしないよー?」
嫌、近づきたくない。
「さぁちゃん白いから大丈夫だよう」
余裕を無くすのが怖いから。
「さぁ…、ちゃん?どしたの?」
でも、近づきたい。
「はいはい、ひなたぼっこすればいいんでしょ?」
「やったー!嬉しいなっ」
私はコイツが好きだから。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
自分が優位に立ちたい。
そう思っていても結局は好きな人には敵わないのです。
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