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日記
2016-01-27(水)
、、、ちょっと、子供産んでくる。

「、、、ちょっと、子供産んでくる」

まぁ、軽い冗談のつもりだった。

親に任された仕事のため1週間日本を離れる事になったので、普通に説明するよりも冗談でも言うか……なんて、普段しない行動をとってはいけなかった。


学園の王様と崇められる俺が1週間休学する理由が「出産」だったら普通笑うだろう?ていうか俺様渾身のギャグだから笑えよ。
男がいつから妊娠可能になったんですか?とか、会長が子供産むとかウケる!てか受けたの?その顔で!?とか、冗談は図体だけにしてくださいとか……ちょっと待て、何俺をディスってくれてんだ殺すぞ!

という流れが、いつもの愉快な生徒会だったはずだ。


「子供ですって!!?」「ちょ、かいちょっ!誰の子なのっっ」「え…嘘」

なぜか全員が一斉に立ち上がった。ちなみに順に副会長会計書記の台詞だ。

「誰の子とか聞く前に言う事があるだろうお前ら」
「まさか、あの時の子供ですか…っ」
「ふくかいちょ!?あの時の、ってどの時!?」
「……二カ月と3日前に会長の部屋へ至急の書類を届けに行った時差し入れたケイタリングの夕食に薬を混ぜていました」
「なんだとっ!椎茸食ったあと急に眠くなったのはその所為だったのか!そしてノンブレスかっ」
「まさか、眠った会長の下半身を脱がせて僕の椎茸も食べさせたあの時に受精していたなんて……っ」

どおりで次の日目が覚めたらケツに違和感があると思った。犯人はお前だったのか!!
突発性の痔かと悩んだ俺の数日を今すぐ返せ!

責任は取ります。と嬉々として詰め寄ろうとする副会長を止めたのは、普段は影の薄い書記だった。

「待って下さい。子供の親は、必ずしも副会長とは限りません」
「は?どういう事ですか…会長の処女穴に精子を注ぎ込んだのは確かにこの僕です」
「オイ処女穴とか言うな」
「―――会長は男性体なのに妊娠するという、普通ではあり得ない奇跡を起こしました。それが奇跡だというなら、精子をアナルから取り込む必要があるのかも疑問です。……半年前から、会長は俺の子種入りコーヒーを飲んでいます。つまり会長の妊娠は俺の精液を飲み続けた結果だとも考えられます」

書記が時々俺に淹れてた『疲れがとれる特製ミルクコーヒー』の正体を知った俺。
なるほどな…特製じゃなく特性だったんだなとか、座布団一枚!とか俺は言わない。全然上手い事言ってねーし面白くも無いし。

自分の体内に二人の精液が混入していたのかと思うと、怒りを通り越して四肢の力が抜けてしまう。
呆然とする俺の前で、問題の二人はどちらが子供の父親なのかと言い争いを始めていた。いや、子供とか出来てる訳ねーから。あとお前らの行為は完全に犯罪だからな。


「「どっちの子供なんですか会長!!」」

平行線の末、掴みあったままの二人が俺を振り仰いだ。

「会計の子供だ」
「ふえぇっ!!?」

空気と同化しようとしていた会計に全てを押し付けて、俺は速攻で生徒会室を出た。
正直スマンと思いつつも、アイツには散々迷惑を掛けられていたから借りを一括で返して貰ったって事で良いだろう。そして俺は今から学園を去る。



さらば生徒会。
一週間後に戻る頃には、懐かしい思い出になっている事だろう。



※休学中、なんとか2馬鹿にお仕置きをしなければと考えて、何をしても喜びそうな変態が一番嫌がること=犬猿の仲の風紀委員長と付き合おう!(一方的に決定)の流れでノーマルだった委員長にもなぜか不幸が飛び火するパターン
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