[携帯モード] [URL送信]

日記
2015-03-06(金)
俺を、おまえのパンツだと思え

F組の扉を開けた瞬間に、騒がしかった教室内が一気に静まり返った。

「―――風紀委員長様が、こんな底辺クラスに何の用だよ」

窓際の奥にボス猿よろしく座っていた藤堂が、低い声を発しながら立ちあがる。それを合図に、周囲の不良達も殺気だった。
俺は逸る気持ちを抑えながら教室に足を踏み入れ、まっすぐに藤堂目指して歩く。口元が緩まないようにするのは至難の業だ。

「藤堂」
「ぁあ?なんだよ、委員長様」
「付き合ってくれ」
「……風紀室へ連行?この俺を?」

不快、と顔中にかいてある藤堂をみて、俺は自分の言葉が通じていない事を知る。うむ、と頷いて藤堂の頬を両手で挟み込んだ。そしてそのまま

ブチュウウウウウウウウウウウ

「ふんごぅおブワああアアアアアアあああ!!!??ん、ぬ、ぶ、んん!ン!ん――!!」

藤堂が叫んだ瞬間に、開いた唇の奥に舌を入れまくった。舐めて吸ってねぶり倒した。唾液も飲み込み、藤堂の口内で俺の唾液と混ぜ合わせた。
甘い。どちらかといえば潔癖症だと思っていた俺だが、藤堂の分泌物だと思えば唾液さえジュースのようだ……ハッ、これが噂のラブジュースという物なんだろうか!?

「ん!んんんん!!ん――ン、ン……っ」

胸元を叩いていた手が俺の肩口を掴み、制服を引っ張る。毛を逆立てた猫のような可愛らしい行動に、ついまだ静まっていてくれる下半身を押しつけてしまった。
なんという事だ………藤堂の息子が、若干勃っていた。
思わず貪っていた唇を離して、藤堂の顔を凝視する。
静まり返っていた周囲がわずかにザワつき「委員長が狂った」「今年暑かったから…」「新しい制裁?」「ほも」と囁いていた。しかし俺の意識は、目元を真っ赤にして睨みつけてくる藤堂の痴態に持っていかれたままだ。逃げないように頬を挟んだまま体を更に密着させる。
ビクリ、と藤堂の腰が後ろに下がろうとするのを阻止したい。

「お、お、おおおおお前……っ何するフガ!?」

ブチュウウウウウウウウウウ!!ぐりぐりぐりぐりぐりチュウウウウウウウ!!!

男というものは、急な快楽に逆らえない悲しい生き物だ。俺は嬉しい。
ここが教室でさえなければすぐにでも裸に剥いて撫でて揉んで舐めて噛んで藤堂の快感に喘ぐ姿をとことんまで堪能したいのに残念だと力の抜けだした肢体を窓枠に押し付けた。体を固定できたことで、互いに擦りつけ合うだけだった下半身に変化をつけられる。太腿を股のあいだに差し込んで刺激すれば、背中を叩く力が増した。可愛い。結婚したい。

慌てたような藤堂の拳は、どうやら暴走しそうな下半身の所為らしく、ビクビクと震えだす股間が俺の腿に限界を伝えていた。
俺の前で初めて射精することが恥ずかしいのだろうか……夫婦での初共同作業はもっとロマンティックでなければ嫌タイプなのか藤堂、なんて可愛い男なんだ。
涎でベトベトになった唇を舐めながらキスを休憩して、俺は嫁を安心させるために口を開いた。

「大丈夫だ。興奮してイクのは男の生理現象として普通のことだ。俺の太腿が気持ちいいなら出せばいい。心配するな、俺を、お前のパンツだと思え。パンツの中に射精するのは夢精で経験があるだろう?ホラ、こんなガチガチにしてたら出さないことには辛いだけだ」
「う、ヒィ……な、なに、おま、ななな、な」

安心させるように顔を近づけて微笑めば、青かった藤堂の顔が真っ赤になってからまた真っ白になった。
背後では「変態だ」「変態」「変態…」とザワつく生徒たち。変態?どこかに変態がいるのか?ならこんな状態の藤堂を見られたら大変な事になるんではないか。
俺は愛する男を守る為、周りを警戒しようとして―――

「なにやっとるんじゃコノ馬鹿たれがああ―――!!」

ズバーーン!と時々聞く竹刀が直撃する音と共に、俺の後頭部を導火線にして花火が散った。その後の記憶がない。

******

今日、不良の掃き溜めといわれるF組に変質者がきた。
間違えた。風紀委員長が来た。

そのへんた…委員長が、あろうことか藤堂さんを襲ったのである。
藤堂さんは、F組を仕切るぐらい強くて怖くて理不尽で暴力的で馬鹿だったけど、学園一の美形と崇められている風紀委員長に片思いしていたのだ。
いやいやさすがにソコは無理っしょ。と皆で静観してたら、なぜか藤堂さんが襲われた。何アレ怖い。変態だけど、あの人変態だけど、藤堂さんの想いが通じたと考えていいんだろうか。

助けたらいいのか見て見ぬふりをしたらいいのか、俺たちがドン引きしながらうごけないでいたら、副委員長が乱入して来て、委員長を撲殺した。

「ちょっと!だからアレほど委員長に近づくなって言ったよね!?この人あんたの事になった瞬間頭がおかしくなるから接触しないように目を光らせてたのに!」
「はあ!?俺じゃねーよ。そいつが勝手に来て……って、なんだよそれ!?委員長に近づくなってお前が言ってきたのって、俺が邪魔だとかそんな意味じゃなかったのかよっ」
「はぁ!?風紀の頭が犯罪者になったら洒落にならないでしょうが!なんなの?アンタ教室で犯されたかったの?趣味?そういう趣味?」

気絶したままの委員長を挟んで、二人は言い争いを続けている。藤堂さんの股間はもう大丈夫なんだろうか。

あの様子だとやはり止めに入らなくて正解だったんだろう。風紀委員長は思いの外オカシイ人だったけど、藤堂さんが幸せだと思うならそれでいい。

「ヤス、帰るか」
「おう」

カズ君に答えながら鞄を手に取る。
そうして俺たちは彼らを残してそっと教室を出ていった。



※晴れてお付合いし出した二人、委員長の妄想膨らむプレイの数々を羞恥にまみれながらも遂行する委員長×不良√
どうしても尻を掘られるのは無理だからと嫌がる藤堂の為に自分の尻穴を使用出来るようアレコレと頑張る不良×風紀委員長√

ちなみにラブジュース云々は当然ツッコミ待ちです
[*最近][過去#]
[戻る]

無料HPエムペ!