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2005-06-11(土)
新空港の話

福岡空港(福岡市)の離着陸回数が2004年まで3年連続で滑走路の処理能力の「容量限界」(14万回)を割り込んだことなどに対し、10日、関係者から様々な反応が出た。福岡市は「限界に近いことに変わりない」として新空港検討の必要性を改めて強調し、学識経験者は少子高齢化などを背景に「旅客需要は今後も減る」と主張。一方、国側は慎重に傾向を分析して、空港の将来像を探る方針を示した。

 福岡空港の離着陸回数は01年の14万3074回をピークに02年以降減少を続け、04年は13万5976回。旅客総数も04年まで2年連続で減り、過去最多の00年に比べ約118万人落ち込んだ。

 福岡市雁の巣地区への新空港建設構想を打ち出した市の空港推進担当者は「余裕がないことに変わりはなく、航空機の中型、小型化による便数増加も想定される」と指摘。空港周辺の建造物の高さ制限による街づくりへの影響、騒音問題も、新空港検討の背景に挙げた。

 これに対し、今里滋・同志社大大学院教授(公共政策論)は少子高齢化、06年3月の新北九州空港開港、九州新幹線全線開通、情報技術(IT)化による東京〜福岡間の出張減少などを理由に、「今後も需要は減り続ける」とみる。

 中長期的にアジアの拠点地域を目指すうえで、福岡地区の空港機能の拡充は不可欠との立場をとる福岡商工会議所の橋本洸専務理事は「総合調査などを通じて、将来像の具体化に向けた議論が深まっていくことを期待したい」と静観する姿勢。麻生渡・県知事は、離着陸回数などのデータについて「中長期的な傾向は全く分からない。調査で(現空港の拡充、新空港建設などの)可能性を一生懸命探っていく」と語る。

 総合調査で需要予測を担当する九州地方整備局の港湾空港部幹部は「落ち込みは短期的か、長期的なのか、現在、需要予測にどのような影響を与えるのかを見極めている。旅客総数減も原因を分析する」と述べた。

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