日記(仮)
2018-07-17(火)
枯
ガムみたいだ。
最初は味があって美味しいけど、結局それは甘味料と香料で脳が勘違いしていただけ、と云う。
味があると思って噛んでいたものが気付けば鼻腔に残る香料の名残で、ガム自体は無味無臭の固い物質になっていた。
今の生活も、あの人への我慢も。
ガムに似ている。
帰ったら脱いでそのままのズボンと靴下。
付けっぱなしの照明とクーラー。
開けっ放しのドアとトイレの蓋。
いつまでも洗われないポットとマグカップ。
セックスの後のコンドームのゴミとティッシュ。
全部、ぜんぶぜんぶ嫌いだ。
洗濯物も私がいつも回して干して。
照明もクーラーもいつも私が消して。
ドアも蓋も私がいつも閉めて。
食器も私がいつも洗って。
事後のゴミも私がいつも捨てて。
こんな些細なことに嫌気が差す自分がいちばん嫌い。
イラッとしてあなたに当たってしまう私がきらい。
けど、たまに。
(家政婦じゃないのに。)
と、なんだか惨めな気持ちになってしまう。
もしこの生活が続くとしたらと思うとゾッとしてしまって、湿った洗濯物を持つ手の感触が無くなった。
外は夏。
窓から見える空は目が絡むほど青かった。
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