心の臓に触れた棘
2010-11-22(月)
No music no life1
ドレミファソラシドから教える。機械音とは思えない滑らかな音源が薄い唇から生み出される。
「はい。これがド」
「ド」
「これが、ミ」
「ミ!」
鍵盤ひとつひとつを叩き音を出す。
膝上に乗ってキャッキャッキャッキャ楽しそうに笑いながら音を的確に連ねる所を見るに、小さくても中身はかなりの高性能だ。
「じゃあ、…これは?」
黒鍵を叩いて鳴らす。
聴き慣れない音に膝上の子供が止まった。ちょっと意地悪しちゃったかも。
「…レ?」
「半分正解。これはね、シャープのレ」
「しゃーぷ?」
「そう、シャープ。レより少し高い音」
「じゃあレ!」
途端にキラキラした瞳で見上げられる。
ふにゃりと笑んだ柔らかそうなほっぺにチュ、と軽めのキスを贈った。
「…?なあに?いまの」
「んー?ご褒美」
「ごほうび?」
「そう。良く出来ました、偉いね〜って言うアタシからイチゴさんへのご褒美」
ね。って笑ってもう一度柔らかいほっぺにチュってしたらイチゴさんはとても喜んだ。喜んでドレミファソラシドと連ねた音源を合わせて歌を作った。
子供の優しい声色で紡がれた歌はなんとも形容しがたいくらい柔らかで暖かで、まるで陽だまりの中に居る様な錯覚を生み出してくれる。
機械なのに、この子供はとても暖かかった。
悪ふざけのパラレルを作っちゃいました…ボカロ一護ちゃんです見た目は小学3年生くらい←
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