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どうか、愛しいのだと言わせてくれ


2012-11-12(月)
とあるワンシーンに、


ドキっとするワンシーン。
普段は時代錯誤奇天烈な成りで煙管を怠慢にも吹かす癖に、外出して商談に行く時はスーツとフィルタシガレットに変化する。
パッケージのセロファンを開封する時に口を使ってビビビーと一気に剥がしてから中身を取り出す。片手間、面倒臭がりな男が得意とする事で何もこういう所まで面倒がらなくて良いのでは?なら始めから吸うな禁煙しろと言ってもヘラヘラ笑うだけで聞きいれてはくれない。まあ、なんて言うかそう言う所。フとした所でドキリとさせるあざとさ。
普段はヘラヘラしてていっつも眠たそうな瞳が夜には雄臭くなる時とか、人前では素っ気なくする癖に2人っきりになったら甘えてくる子供くさい所とか、元零番隊だかなんだか知らないけど暗殺部隊っつーの?そこに居た時の名残なんだろうと見てとれる素振りとか悪い意味でドキってする。冷たい瞳がとても冷たくなるからあーいう目は止めて欲しい、そう言ったらふわり優しく笑う笑みとか。もうちょっと優しくして欲しいな、なんて事は死んでも言わないけど…なんつーか、そう言う俺の不器用な部分とかもちゃんと分かってる所とか、ドキドキするワンシーンなんて数え出したらキリがないんだ。

「待って一護さん」
「なに…俺は怒ってんだからな」
「うん知ってる」
「引き留めてどうしてーんだよ離せクソ野郎」
「お口が下品だ」
「うっせーんだよクソ野郎」
「アタシが悪かったですよ」
「そうやって渋々アタシが折れてあげますって言う感じが更にムカツク!」
「…!じゃあどうしろってんだ!」
「!!ど、どなった!どなったな!?」
「…ちっ、ごめんなさい…頭に血がのぼった。ねえ、一護さんこっちきてよ。かえんないでよ」

じゃなきゃ余計に酷くしちゃう。甘えた声で呟かれた言葉はとても酷薄なのに心臓を鷲掴みにされた感覚を味わう。あの浦原喜助がまるで駄々っ子みたいだ(いや、これは駄々っ子よりも多少厄介な物だけど)。

「…心臓の音スゴイよ?」
「うっせえ……」

とくんとくん。
昨日よりも今日、今日よりも明日、明日よりも明後日、こうして浦原喜助の色んな一面を知って行くのが何よりもドキドキする。














いつかドキドキのし過ぎで心臓が爆発しそうだ。


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