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独り言

2018-05-24(木)
好きではなくとも何かが残れば


ところでプライベートでこの画家について語ると必ず病みっ子認定されるのでここでこの重たい愛を吐き出させていただこうかと思いまして今日のところはいつものテンションのreportじゃないのですみません!
鴨居玲という画家がおりまして
彼の絵を目当てにぼっちで美術館を巡ったり画集や関連書籍を壁に飾るくらいには好きなのですが
スマホの待ち受けにしている絵を人に見られるたび必ずドン引きされながら「悩みがあるなら聞くけど…」と言われることが悩みです!
まりもです!

主に自画像やピエロや酔っ払いや老人を描いた作品が代表作として多くありまして、個人的には「私の話を聞いてくれ」という絵に思い入れがあるのですが、人のほんの一瞬を切り取ったに過ぎないそれらの絵からは
次の瞬間には叫び声が聴こえてきそうなゾッとする悲壮感と、
まるでこちらに助けを求められているような息苦しさと、
人間への異常な執着と恐怖と、
自殺未遂を繰り返す自身への嘲りを感じています。
三十年以上前に自死されたのですが、亡くなる三年前に描かれた、
描けないことに絶望する自画像がまたとんでもない作品で
救いを求めているのに手の伸ばし方も忘れてしまったように悄然とするその自画像の、もはやなんの感情も沸き起こらなくなったような虚無感から、数年後に迎える本人の死が垣間見えるというか
この絵を見てはじめて、狂気と絶望を目視したように思います。
いろんな感情が煮詰まった末に心を遠くに追いやってしまったような自画像も、赤に取り込まれるように佇むピエロも、笑っているように顔を歪める酔っ払いも、執拗に描き込まれた老人のシワも、鴨居玲にはすべて仮面に見えていたのかもしれない。
生死に対してぎらぎらとした希望と静かで確かな絶望を全力でぶつけて死んでいった人の絵です。

そんな風に、絵を通して作者の人生観や死生観に思いを巡らせられる画家でして
溜め込んでしまう言葉じゃないものを必死に絵という形にして吐き出していた方なのかもと思うので、それを言葉で解説や表現しようとするのは野暮にも程があると思うのですが愛が止められないやめられない。

なんで急に愛が暴走してきたかといいますと、毎年必ず金沢の美術館に常設されてる鴨居玲の絵を見にいくのですが
来月の関西出張ついでに金沢に寄れそうなので
生の絵が見れると。画像や画集じゃなく、もっと艶やかで静かで陰々鬱々と吐き気がするほど威圧感のある生の絵を。
今からそわそわと画集を眺めていたからでして、ああ楽しみ!です!
よっしゃ、今日も気合い入れて生きるぜ!
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