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武田家の日常  武田さん家の日常風景です。大体季節小ネタ。 半分はやさしさ、あとの半分は汗と涙でできております。
2009-08-28(金)
・・・某も、一生忘れませぬ・・・。

「花火大会まであと半刻か―――・・・。楽しみだな!俺はやはり赤い花火が好きだ。」
「知ってますって。しかしまあ、ここって特等席じゃない。よく確保できたっすね。」
「朝一で来て、お館様の為に一番良く見える場所を探したからな。」
「そこまで気合入れてるのも旦那だけだよ。」
「実は、事前に花火師殿に頼み込んで仕掛けをしておいたのだ。」
「仕掛けって?」

「武田の家紋、四つ割菱の形の花火を打ち上げてもらうのだ。」
「へーえ。・・・またンな事にお金使ったのね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。あ!お館様ぁ!!こちらでございます!!」
「はあ、まったく。」


ド―――ン

パ―――ン

「・・・中々上がらぬな・・・。」
「ひょっとして、さっきのヒマワリ型のと青いカラクリ猫型のの間に上がったヘボいやつじゃないの?」
「な!?あの、一つ歪んだやつがか!?」

“では、いよいよ最終幕です!”

ド―ンパ―ン

ド―ンド―ンパ――ン

ド―――ン


「・・・終わってしまった・・・。」

「今年も見事であった。のう、幸村。」
「・・・・・・左様でございますな、お館様・・・。」

「旦那、元気出しなよ・・・。」

肩を落とし、館に帰ろうとしたその時であった。


“最後に、真田幸村様から言の葉付き花火がございます!”


パ―――――ン


「・・・・・・・・・!!」

夜空には、真紅の大輪の華が四つ咲いた。

“お館様、いつも某をお導きくださってありがとうございます。
今の某があるのも、全てお館様の御蔭にございます。某は、まこと幸せ者にございます!
お館様への御恩をお返しする為に、某はこれからも一生お館様に尽くします!!”


「上がりましたね・・・でっかい武田菱。」

「その・・・お・・・お館様・・・・・・?」

「幸村よ・・・・・・。
・・・この大馬鹿者がぁ!!!」
「ぐはぁぁっ!!」

「え、そこで殴るんすか!?」

「そのような軟弱な心は捨てよ!いつまでもワシにすがっているようでは、強き漢にはなれぬわ!!」
「も・・・申し訳ございませぬ・・・。」
「大将、真田の旦那は・・・。」


「・・・幸村よ。お前の気持ち、とても嬉しかった。今宵の贈り物、ワシは一生忘れぬぞ。」


そう言って、大将は旦那の頭を撫でた。





「―――伊達の「竹に雀」、やはり上手く上がらなかった様ですな。政宗様、やはり形が複雑すぎたのではないかと。」
「・・・チッ。」






「・・・某も、一生忘れませぬ・・・。」へのコメント

By 天音あまた
2009-09-18 01:21
鍋MAX様 ありがとうございます!
お館様の、幸村への愛も大きいのですよv
政宗は・・・おいしいキャラです(笑)
pc
By 鍋MAX
2009-08-28 23:57
いいですねー花火ネタッ!!

あのやりとりと最後のシーンがめっちゃいいでス!
pc
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