ショートストリー(SS)置き場 読み終ったあとに感想などをくれると嬉しいですm(_ _)m 2008-03-05(水) 悪夢の余韻(SS) 〉目を覚ましたのは、深夜2時30分。さっきまで見ていた悪夢からやっとの事で解放され、ホッと一息。 しかし、この病院という監獄から解放されたわけではないので少し残念。 〉この病院(監獄)に閉じ込められてから3ヶ月がたった。 早く外へ出たいが、まだまだ完治しそうに無い。 ちなみにこの監獄にいる医者は全員ヤブ医者だ。 手術をすれば必ず死亡。 治療をすれば必ず失敗。 他にも多種多様な医療ミスをしてくれる。 俺もその犠牲者の一人だが、奇跡的に一命は止められた。 あの手術以来、俺は夢を見続けている。 悪夢限定で。 さて、夜が明けるまでまだ数時間はある。もう一眠り、もう一眠り……。 「…………」 「………」 「……」 30分経ったが全く眠くならない。更に言えば、眠気が皆無に等しい。 あの悪夢のせいだと思いつつ、少しだけ悪夢の内容を思い出してみる。 〉うっすら暗い雑踏の中、一人ぽつんと屈み込む少年が居る。 周りの人は、まるで無視するかのように少年を避けて通り抜けて行く。 俺はその少年に声をかけよう近づいた。 「君、どうしたの?」 「………」 ――キキキキ。 聞き覚えのある音が響いた。俺は音の聞こえた方、少年の右手に目を落とした。 すると何故かカッターの刃が伸びていた。 そして何故か俺の右手にもカッターが握られていた。 しかし不思議には思わなかった。 なぜならコレは夢なのだから。 俺もカッターの刃を伸ばした。 ――キキキキ。 俺は心の底から沸いてくる殺意と言う名の衝動に身を任せた。 ――グチャ。 目の前のモノを斬り刻み血をすする。喉の奥から声を漏らし、血を求めて肉を裂く。 俺の意思とは関係なく、神経の隅々から血を求めて身体が動かされている。 〉俺はコレを夢が覚めるまでやり続けさせられた。 それに毎日のように同じような夢を見るのだから嫌になる。 取り合えず早く退院したいと毎日思うこと数週間。 ついに監獄(病院)から出ることが出来る日が来た。 まだ俺の病は完治したワケでは無いらしいので、週一で病院に通わなければならないが、それでも退院できるのだから嬉しい話だ。 〉荷物をまとめ病院を出る。自宅までは近い距離では無いが、久しぶりの外界なので、歩いて帰ることにした。 背の高いビルが並び、道路には車、歩道には人が溢れている。 以前と変わらない、ありきたりな世界だった。 まぁ、いいや。とりあえず喉が乾いたから喫茶店にでも入ろう。ポケットに財布あったかな? 俺は左右のポケットに手を突っ込んだ。小さいポケットに手を入れた瞬間から抜くまで、およそ3秒。 財布ではない、何かを掴んだ。 ――キキキキ。 そして俺は雑踏の中で一人の少年を見つけた。 -----END----- 【後書き】 〉随分昔に考えた話です。 途中まで書いて、そのまま放置してました…。 まぁ、他にもそういうSSたくさんあります…orz 〉今回のSSは友人に与えられた「夢」「病室」「欅」の3つをキーワードに構成するつもりでしたが、どうしても「欅」が入りませんでした。 というか入れる間を作れませんでした…。 〉次回作も期待しないで下さい(ぇー 「悪夢の余韻(SS)」へのコメント コメントはありません。 コメントを書く [最近][過去#] [戻る] |