memo 2015-10-14(水) 没話(シキの色/急用) 「出てくるって、今からか?」 「うん」 「なら、送ってく」 「………ん?」 「もう、遅い時間だからな」 あぁ、そっかと、椿が悩む素振りを見せる。 「それとも、オレはいない方がいいか?」 「………ううん。多分大丈夫、だと思う」 〜中略〜 行く手に、喧嘩している奴らがいた。 正確には、一人の男が数人を一方的に痛めつけている。物騒な。道を変えた方がいいんじゃないかと隣に声をかけようとしたら、椿が真っ直ぐに駆けだした。 「サエさんっ」 ………ん? 「………イチ?」 一方的に暴力を振るっていた男が、手を止めこちらを向いた。男だとばかり思っていたが、よく見ればサエだった。酷く、淀んだ瞳をしている。 倒れ伏してる奴らに一瞥もくれず、椿はサエに駆け寄った。サエが当然のように椿を抱きしめる。傍目でもわかるほど強く。 思わず顔をしかめる。 サエの様子は尋常ではなく、どうして椿が呼び出されたのかなんて、この状況を見れば嫌でもわかってしまう。仕方のないこととはいえ、あまり見ていたいものではない。勝手についてきたのだから、何も言えるわけないが。 「どーも、こんばんは」 「………あ?」 かけられた声に、視線を向ける。椿と同じぐらいの背丈の金髪がいた。へらへらと笑っている。 「おにーさん、もしかして噂の同居人さん?」 ………噂? ――――― ・当初、シキもついてくはずだった。けど電話切ってから急ぎだから自転車で行くと気づき、急きょシキはお留守番。 ・この段階ではまだサエの髪型?髪色?には気づいてない。落ちついて、話をする段階になって、ん?となる。 ・噂ってほど噂になってるわけではない。 [*最近][過去#] [戻る] |