memo
2015-04-23(木)
没話(四季の色/初期設定)
「……何でまだいる」
「ん?」
一緒に暮らすことが当たり前になってしまっていて、気づくのが遅れた。もうすぐいなくなる。そう、覚悟はしていた。だが、いつまでたってもいなくなる気配がない。さすがにおかしいと、ようやく気がついた。
「もう、始まってんだろ」
「あぁ……うん。始まってるね」
「もう留年決まったのかよ」
「まさか」
その言葉に顔をしかめる。ならばなぜまだいる。
「サボリか?」
「ううん。行ってるよ」
「……ここからか?」
「うん」
ほら、と示された先には、確かに以前まではなかった荷物の山が。
「帰るんじゃなかったのか?」
「そのつもりだったんだけど、何かこっちの方が近かったから」
「…………」
どうやら本格的に住み込むつもりらしい。
「……どうかした?」
家主の了承もとらず、勝手に住み着くとはいい度胸だ。しかも断られるわけないと思っているらしい。おもしろい。
「……いや」
こいつがその気ならば、こちらも遠慮などしない。
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