フリーワンライ
Twitterでの週一の60分間のお題をもとにショートストーリーを置いていきます。
2021-10-23(土)
異種交流は望んでいない
【第184回二代目フリーワンライ企画】本日のお題
フェイクファー
良かれと思ってやったのに
サイズの合わない指輪
猫舌の君
真夜中のおやつ
この中から一つ以上選んで執筆してください!
[異種交流は望んでない]
田島柾美は目の前の相手を見ながらため息をつく。
両腕を前に出し頭を下げている男を呆れた顔で見る。正確には差し出された両腕の先、つまりは両手の上に乗せられた小さな箱の中のシルバーの輪である。
これは指輪か?指輪なのか?どう見ても指以上に見えるのは気にせいだろうか。いや、それよりも大きな問題がある。
「あのさ、色々言いたい事あるけどまずはそれ、その手で持ってるやつだけどどう考えても大きいってば。サイズの合わない指輪渡されても困る。」
「いいえっこれは腕・・・ブレスレットですっっ我が一族は好きな相手に誓いを立てる時に腕にこれを付けてもらう掟ですっ」
「そうか掟かっなら断る!いらん!」
「しかしあなたに惚れた身としては引けません!」
「その事だけど名前が名前だしこういう顔だけど俺男だからっ!ちゃんと女の子が好きだから諦めてくれっ!」
柾美の言葉に顔を上げ驚いた表情で見つめ腕を下げる。
男、正確には顔は狐で身体は成人男性のモノは柾美の頭の先から爪先までじっくり見てくる。
自分の顔についてはもう間違われるのは仕方ないのかもしれないと思うが今の格好はどう見ても男子高校生のブレザーで男にしか見えないはずだと自分に言い聞かせる。
男は決心したかのように真剣な表情になると、再びブレスレットを両手で差し出してきた。
「おいっこっちはお断りしたのが聞こえなかったのかよっ」
「同性だとしても惚れてしまったのですっっ」
「あのさしつこいと実力行使するよ?あとついでに聞くけどなんでブレスレット?」
「それはですねっ腕にはめることでこちらの意に反することをすれば手首が絞まっていき最終的にはブチ切れる物ですよっつまり大人しくしていてくれればただのおしゃれアイテムですよっほらっ綺麗でしょうっっ」
「うわーいお洒落ぇっとかいうわけねーだろ!束縛強すぎてドン引きアイテムじゃねーか!!」
早口で嬉々とした表情で喋る男の顔面に拳がめり込み地面に転がるが目を輝かせる。首に巻いている黒いフェイクファーを左手で握り起き上がる。
「あぁたくましいパンチじゃないですかっ化け物と戦いながらも僕を助けてくれた時のときめきは本物だっっ性別なんて関係なく好きダァぁぁぁァァッッ」
ブレスレットを付けようと飛びかかってき為柾美は自分の武器である刀を振るい身体を斬りつけバランスを崩した所でエメラルド色の石を男に当てる。
「封印っ」
男は石に吸い込まれた。
先日、集団でいじめられていたのでつい助けたのだが良かれと思ってやったのにこれとは。余計なことはするものではないとため息が出た。
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