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偽りの名 呵々闘諍の日記(力水の書いたやつ) 決闘時空まとめページ
2012-09-24(月)
決闘時空(デュエルスペース)第四話 Part1

2008年10月22日朝
佐野が事件の容疑者2名を搬送したデュエリストフォースにて、誰も気が着く事が出来なかった異変が起きた。
だが、異変は変化するものであるのだから異変なのである。正確には忘れ去られた異変が起こることになった。

デュエリストフォース日本支部、クリムゾン・ドラグーンの事件後、都会と田舎の狭間にある人通りの少ない場所のビルに本拠地を置いていた。
デュエリストフォースは世界に存在し、日本においてもいくつかの施設がある。
現在本拠地にしているビルはクリムゾン・ドラグーンの事件の被害者が多かった地域、支部リーダーである佐野がかつて在籍していた翔武学園に比較的近い地域に建っている。
ビルの中には隊員の訓練やデュエリスト能力の研究、デュエルモンスターズや闇のゲームに関する研究と言ったことが行われており、施設として充分であった。
施設の一つには大きな病室もあった。今回このビルが本拠地になった理由として、この病室の存在がある。
クリムゾン・ドラグーンによる闇のゲームの影響を受けたデュエリストのメディカルチェックを主として被害者の状態確認を優先したため、専門の機械の多いこのビルを選んだのだ。

膨大な量の機密事項を有するこのビルでは警備も厳重である。が、その警備を物ともしない侵入者が迫っていた。
それに気が着いたのは月島 火月(つきしま かげつ)である。
月島は女性であるが、全身を大火傷しており、包帯で覆っている。初対面で会えばほとんどの人間は彼女を見てほぼ間違いなく驚くであろうが、外見と内面の差があり、むしろ美しく見えてくるほどの萌えキャラである。
彼女にはデュエリスト能力が存在し、“火傷した顔”(スコルド・フェイス)という全フェイズの開始ごとに相手に100ポイントのダメージを与える全身を火傷した彼女を体現するかのようなものである。

月島は今ビルの入り口の玄関付近を警備しており、そこには彼女以外にも警備をしている者達が数名いる。
警備をしている彼女の目に飛び込んだのは入口の自動扉をすり抜けて入って来た人物である。
長い雪のような真っ白な髪、中性的な顔立ち、特徴的なのは赤い瞳に、こめかみ部分から生えている左右両方の長い髪があごの下部分で蝶の口のように渦を巻いている。衣服はと言うと、黒い薄汚れたマントを着ている。背丈からすると成人前の男性であろうか。
「貴様、何者だ。」
「ありゃ?もしかして見えてる?」
見えているのは月島だけのようで、月島が謎の人物と会話している事さえ他の警備の者達は気付かなかった。
警備の者達にはいつも通り警備にあたっている月島の姿しか写されていなかったのである。
「他のやつが騙せても私は騙せんぞ。」
「にゃはは!流石、月島の名を冠するだけのことはある!残念だけど、今は君の相手をしてられないんだよね。」
謎の人物は月島がどういう存在なのか知っているかのようではあったが、余裕に満ちており、けたけたと笑っていた。
「そうはいかん。侵入者を見す見す逃すわけにはいかないからな。」
火月はデュエルディスクを構え、侵入者である謎の人物と対峙しようとするが…。
「見逃してよ、僕のサインあげるから。」
謎の人物の手にはいつの間にか色紙が現れており、サインペンで何かを書き始めていた。
「ふざけるな。貴様もデュエリストならデュエルで物事を解決しろ。」
月島は謎の人物が左腕にデュエルディスクを装着しているのを確認しており、謎の人物からのサインを断る。
「サインがお気に召さないとは…。仕方ない、デュエルするか…。ふぅぁあ。」
謎の人物はやる気が全くないのかあくびをしつつ、デュエルディスクをデュエル用に展開させた。デュエルディスクの変形も持ち主と似ているのか、どこかゆっくりである。
「デュエル!」
「デュエル…。」
月島火月と謎の人物のデュエルが始まる。




「ぐ、なんてやつだ…。私のデュエリスト能力を“利用”しやがった…。」
「にゃはは!強制効果のデュエリスト能力で挑むのはまずかったねぇ。せめて任意だったら勝てる可能性があったかもよ。さて…。」
敗北し、膝を折っている月島にゆっくりと謎の人物は近付いていく。デュエルでのダメージが大きいのか月島は動く事が出来ず、逃げることが一切出来なかった。
「何を、する…?」
「みんな僕の事が見えてないのに君だけ見えるなんて不公平じゃない?だから、僕に関する記憶を消して、僕を見えなくするよ。よかったねぇ、侵入者に会わなくて済んだんだよ。」
謎の人物は月島の額に右手を乗せる。月島は抵抗が出来ず、ただ見ていることしか出来ない自分に憤りを覚え、相手を睨みつけ歯ぎしりするしかなかった。
「あ、そうだ。また会うことがあるかもしれないから、名前だけでも教えてあげるよ。」
月島の額に手を乗せたまま謎の人物はかがみ、耳元で囁く。
「僕の名前は、愛縷(あいる)。」
名前を聞いた瞬間、月島の目の前の世界が一瞬白に染まり、元の世界が写される。
月島は何が起きたのか、何事も無かったかのように警備を続けていた。違和感一つ抱かずに。

決闘時空 第四話「伝える者」Part1

「決闘時空(デュエルスペース)第四話 Part1」へのコメント

By アッキー
2012-09-25 00:52
おおっ、火月さん! 火月さんじゃないですか。
人様から描写されると、照れる&嬉しいです・・・。

侵入者、誰かと思えば愛縷ではありませんか!
ようやく姿を見せてくれましたね。エキセントリックな髪型が素敵。けれど実体は無いんでしたっけ?
耳元で囁くとか、萌える・・・。というわけでサインは私が貰っておこう。

“火傷した顔”の弱点は幾つかありますが、操作能力で《悪夢の拷問部屋》のダメージを移し変えたか。
能力ではなく、《痛み移し》を使ったということも考えられますが。
愛縷の能力の本質が私の想像通りなら、もっと恐ろしいことが起こっていたのかも。
でもそれだと任意効果でも到底勝てませんが。
火月に詳細を聞・・・・って、記憶消されてるし! リンネか!

もうひとつ気になるのが、愛縷の目的。
注目ポイントは、病室・・・?

pc
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By 呵々闘諍
2012-09-25 01:12
>アッキーさん
火月さんを登場させてもらいました!
デュエリストフォースでの話なので彼女を活躍させたい!ところなんですが、そう都合よくいかないのが呵々闘諍の世界。
バーンメタが多くて火月さんは本来の力を活かせないです(泣)

>侵入者愛縷
ついに登場した愛縷!アッキーさんの予想はおそらく正解に“なる”と思います。
実体が無いのと能力は関係していたりして…。

デュエリストフォースに来た目的についてはすぐ明かししたいと思います。
しかし、最終的な目的は…まず、予想出来ないです。(そのための伏線は後ほどに)

それではまた!
pc
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By 千花 白龍
2012-10-07 17:45
おや、火月さん!月島火月さんじゃありませんか!登場して早々に謎の侵入者を捉えた!火月さんにしか出来ない仕事ですね。分かります。っと思ったらやられてもうた!
愛縷ズルイ!能力ぐらい明かしていけー…とは言いませんよ。後々の楽しみが減りますから。
pc
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By 呵々闘諍
2012-10-07 18:52
>千花 白龍さん
火月さんは犠牲になったのだ、愛縷の強さの証明、その犠牲にな…。
火月さんの活躍も書きたいのですが、この人は強いのでどちらか一方的なデュエルになりそうなので難しいのです。

愛縷の能力ですか。説明すると長くなるのでここでは明かせないですね、すみません。
次に判明するので本編再開までお楽しみに!
pc
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