Dust
短文乱文でSSSやボツネタ等
いきなりブツギリで終わっている場合も有
2009-03-26(木)
結局の所は(憲+偽)
「偽装番長、ちょうどいい所に」
「…………解った、解ったから引っ張るんじゃない。とれるだろう。ん?」
目が合った瞬間踵を返そうとしてガシッと飾りを引っ張られる。
ブチっと無残な音がする前に足を止め肩越しに振り替えると、当然最初に目が合った憲兵番長がこれでもかとばかりに微笑んでいた。
時折無理難題を申しつけてくるこの男は、時には辟易してしまう程無邪気に笑ってみせる。
一体今度は何を言い出すのかと、構えていれば憲兵番長は一言、お茶をしようではないかと言った。
「…お茶」
「そうとも。文学番長は多忙のようだし、海原番長は今見回りに出ているし、噛噛番長とは話が通じないのでね。いやはやちょうどいい所を通りかかってくれたものだね君は」
お茶。お茶か。
和やかな響きに、脱力感が身体中を広がる。
吐いた溜息はおそらくこの男には通じまいと知りながら、それでも出てしまうのは自身の気負いが原因か。
この男によって与えられるストレスは思いの外割合を占めている気もする。
とは言え普段は己ですら畏怖の念を禁じ得ない殺人狂が、こうして無邪気に笑っている所を見る事に違和感とほんの僅かな安堵を感じる事も否めない訳で。
「…別に構わないが、安い茶を出すなよ。ん?」
「解っているとも。君には偽装が通じないからね。きちんとしたものを出すさ」
結局、最後には付き合ってしまう自分は、割とこの男に甘いのかもしれなかった。
ちょっと筆が詰まったので此方に。
一方的にでもお互いにでも仲良しな二人だといいですよね。
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