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リリカルなのはStS〜Crossing of fantasy〜
By xユウキx★
2009-04-12 07:49:37
どうも始めまして、xユウキx★です。

この小説は小説投稿やら音楽掲載やらの某大型コミュニティーサイトに投稿していたリリカルなのは×オリジナル×東方(?)です。
とある事情で別の所に投稿しようと言うことになり、このサイトに投稿させていただくことになりました。

実はこれ、自分入れて三人で作ってるんです。所謂合作ですね。

で、他のお二人の小説が東方だったこともあり、東方キャラは出ないもののオリジナルキャラがスペルカードを使っています。

では、前置きが長くてもアレなのでこの辺で……
本編をお楽しみください。

出来れば読み終わった後感想書いてもらえると作者が躍り上がります。
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By 龍牙天翔
2009-11-17 19:46:29

「その後も事件が続いたの。はやてちゃんやヴォルケンリッターのみんなが関わった、闇の書事件。それらに対抗する為に
私とフェイトちゃんが選んだのは当時はまだ安全性が確保できていなかった、ベルカ式カートリッジシステムの採用」

同時に開かれたモニターには、今と殆ど変わらないカートリッジシステムが装着されているレイジングハートが映っていた。

(なのは隊長は九歳の時にこんな無茶をしてたの!?)

ティアナの驚きを余所になのはは再び口を開く。

「その二年後、私は大怪我をしたの」

モニターの映像が変わり、包帯に巻かれ、様々な機器に繋がれたなのはが映し出された。

「っ……!」

その光景にティアナは息を呑んだ。

「原因は続いた激務による疲労困憊。もう空に戻れず、立って歩く事も難しいって言われて、それでも空に戻りたくて」

今度は必死にリハビリをするなのはが映る。

「なのは隊長……」

「私はたまたま戻れたけど、みんながそうだとは限らない。だから無茶しないようにじっくり積み重ねるメニューを考えたんだけど……」

そこでなのはは一旦言葉を切り、ティアナを見る。

じっ、と見つめ合っているとティアナはだんだん恥ずかしくなって、目を逸らした。

「……逆にティアナは辛かったんだね。もっと強くならなきゃ、って思っていたから」

「……はい」

ティアナは静かに頭を上下させて答えた。

「……じゃあ、一つだけ叱っておかないとね」

なのはは息をすぅ、と吸い込む。

「ティアナは凡人で射撃と幻術しか無いって思ってるみたいだけど、それは間違い」

「……」

「最初はみんな原石なんだよ。勿論、私もそうだった。まだデコボコで本当の価値は判りづらいけど、磨けばどんどん輝いている部分が判ってくる」

そこでチラッと近くの茂みを見る。実は他のフォワードやシャーリーがそこから覗いていたのだが、なのはに見られた瞬間、ドキッとして冷や汗を流していた。

再びなのははティアナの方に向く。

「エリオはスピード。キャロは優しい支援魔法。スバルはクロスレンジの爆発力。そして、ティアナは三人を指揮して、射撃と幻術で仲間を守って、知恵と勇気でどんな状況でも切り抜ける、
そんなチームが理想的で少しずつだけど近づいてる。……まぁ、ちょっと基礎ばかりで隊長に怒られたけど」

「……」

「あ、そうそう」

なのはは黙ったままのティアナの横に置いてあったクロスミラージュを手に取って、銃にした。

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By 龍牙天翔
2009-11-21 16:53:26

「クロスミラージュ、テストモードリリース」

《Yeah》

「……?」

ティアナが不思議に思って見ていると、なのははクロスミラージュをティアナに渡した。

「モードUって言ってみて」

「は…はい」

手渡されたクロスミラージュをまじまじと見た後、一言だけ呟いた。

「……モードU」

《Setup dagger mode》

そんな音声と共にクロスミラージュの銃身が変形する。

銃底が後ろに下がり、そこから銃口にかけて魔力刃が円を描くように展開され、さらに銃口からも魔力刃が伸びる。

「これって……短剣?」

「ティアナは執務官希望だから味方の援護じゃなくて個人戦になることが多くなるって思って準備してたんだ」

ティアナからクロスミラージュを取って、待機状態に戻すなのは。

「……本当はあの時、クロスレンジをするつもりでした。だけど、零慈さんがお前にはまだ早いからこっちで我慢しろってあの作戦を教えてくれたんです」

「……そう、なんだ」

「でも、なのはさんがそこまで考えていたなんて知らなかったです。……無茶やってすみませんでした」

突然頭を下げるティアナ。

「いっ、いや、私の方が謝らないと駄目だよ。ティアナの気持ちに気付けなくて砲撃撃って……ごめんね」

それを聞いたティアナは悪戯っぽく笑って、「じゃあ、おあいこって事で」と言った。

「そうしないと何時までも続きそうですし」

「……そうだね」

二人はお互いの顔を見て、笑った。

その時――

『シャーリーさん、サーチアイ1、フィルーナさん、ガジェット殲滅しました!』

「今は駄目だってば!」

「わ、わ、シャーリーさん聞こえちゃいますよ」

「……」
「……」

茂みから聞こえてくるメカニックとフロントアタッカーの声に、二人は再び顔を見合わせ、頷くと各々のデバイスをこっそり起動させる。

そして一斉に魔力弾を放つ。

「アクセルシューター!」
「ソニックバレット!」

放った魔力弾は声がした茂みに直撃し、複数の悲鳴が響いたのだった。

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By 龍牙天翔
2009-11-25 21:10:18


     ☆

――ミッドチルダ東部 海上

「ふぅん、やっと俺の出番か」

「残念ですが貴方の出番はあまり無いですよ」

ヘリの中で出撃する前からシルバーとフィルーナは火花を散らしていた。

「ちょっ、出撃する前から喧嘩しないでくださいよ」

操縦席のヴァイスが見かねて二人を宥める。

が、大した効果も無く、二人は現場に着くまで睨み合っていた。



「お二人とも、着きましたぜ」

ヘリの数キロ先にはガジェットU型の機影が見える。

シルバーは「判った」と言って、バリアジャケットを装着した。

フィルーナはシルバーの肩の上に乗る。

「……乗るな」

「良いじゃないですか、減るものでもないでしょう」

シルバーの威圧などどこ吹く風で流すフィルーナ。

そんな二人のやり取りを聞いて、ヴァイスは頭が痛くなった。しかも、ガジェットに補足されたようで一編隊が向かって来ていた。

「あの〜、敵さんに捕捉されてんですけど」

「そうか、なら出撃(で)る」

はいよ、と返事してヴァイスはハッチを開く。

そこからシルバーが飛び出して高速でガジェットに向かっていった。

みるみる小さくなっていくシルバーを見送ったヴァイスは「そんじゃ、戦線離脱しとくか」と呟いてヘリの舵を反転させた。

     ☆

「バーストシューター」

「穿て、聖十字、ライトクルセイダー!」

ヘリを飛び出したシルバーとフィルーナは目の前に迫ってくるガジェットを魔力弾で一掃した。

「さてフィルーナ、貴様の力を見せてくれるんだろうな」

「勿論です。私が期待を裏切るわけ無いじゃないですか」

不敵に微笑んだフィルーナはシルバーの肩から離れ、上空に飛んでいく。

シルバーはそのまま真っ直ぐガジェットの群に突っ込む。

『開け、開け、開け、開け、開け……』

上空からフィルーナが詠唱しているのが聞こえてくる。

それに気が付いたガジェットが何機か向かおうとしたが、

「残念だが行かせはせんよ」

シルバーが前に立ちはだかって、ガジェットの行く手を阻んだ。

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By 龍牙天翔
2009-11-27 17:35:47
突然現れた障害にガジェットはレーザーの弾幕を張る。

《Round shield EX》

しかし、シルバーが張ったバリアが悉く防ぐ。

『開けよ、天界の門、我が声を聞き届け開きたまえ』

その間にも詠唱を続けるフィルーナの声はどこまでも澄んでいて、ミッドチルダの海上を渡る。

『天より来たるは極光の使者にして天界の守護者たち』

詠唱が進むにつれ、フィルーナの頭上に巨大な魔法陣が展開され、四十は下らないであろう、光の球が作られていく。

『我が見定めし敵をその手に携えし光の槍で打ち払え!』

光が一際大きく輝く。その様子を見たシルバーは全速力で射程範囲外へ離脱する。

『スターライトディバイダー!!』

ガジェットを振り切るのと同時に上空から幾条もの光条が降り注ぐ。
それはまさに槍が突き刺さっていく様だった。

「ほう……」

言うだけのことはある、とシルバーは思った。

これでも手加減しているようなので、本気になればもっとすごいのだろう。

六機程残っているのは仕方ない。あの光条は四十本。最初に墜としたのは十二機。残るのは必然だった。ならば

「カートリッジロード」

《Load cartridge》

砲撃の雨が止んだ後、残ったガジェットに自身のデバイスを向ける。

《Destruct》

切っ先に集束する白銀の魔力。

「デスト……ラクト!」

それを一気に解き放つ。

砲撃は空間を蹂躙しつつ突き進み、残ったガジェットを片端から鉄屑に変えていく。

(へえ……中々やるじゃないですか)

上空から見ていたフィルーナも先程シルバーが思った事と同じ事を思った。

「こちらサーチアイ1、ガジェットは全て殲滅した」

『了解しました。今、ヘリが向かいます』

通信が終わって暫くするとヘリのプロペラ音が聞こえてきた。

「……帰るか」

「そうですね」

フィルーナがそう応えて肩に座るが、シルバーは今度は何も言わずヘリを待っていた。


言い訳じみた作者の一言

今回のフィルーナが使ったのは古代魔法の光属性の中級です。
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By 龍牙天翔
2009-12-02 21:03:14


     ☆

――翌朝

宿舎前にティアナを除くフォワードとフェイトがかなりやつれた顔で集まっていた。

「うぅ……なのはったら、あんなに激しくしなくても……」

「酷いよ、ティア……ぐすぐす」

「あんなに怖いなのは隊長は初めて見ました……」

「うん……」

昨日こっそり覗いていた面々は、なのはとティアナの魔力弾の嵐をボロボロになるまで喰らい、
そのまま気絶、気が付けば自室で朝を迎えていた。

しかも、フェイトとスバルは服を脱がされていた。意識を無くす直前、制服がとんでもないことに――簡単に言えば真っ黒焦げに――なっていたのをおぼろげに覚えていたが、
それ以上に胸騒ぎがして止まなかった。

だって二人ともかなりイってる目だったのだ、やりかねない。

そんな風に考えて、フェイトとスバルが青ざめていると、当事者の一人であるティアナがとても笑顔で宿舎から出てきた。

「お……おはよう、ティア」

「あぁ、スバル、おはよう」

しどろもどろに声をかけるスバルをティアナは少し冷めた目で見る。

「まさかあんたに覗きの趣味があったなんてね」

「い…いや、別にそういう訳じゃ……」

「へぇ〜、じゃあどういう訳なのよ?」

「うっ……」

ティアナのジト目に言葉に詰まるスバル。

「ま、まあ、ティアナ、それくらいに……」

「フェイト隊長はそれ言える立場じゃ無いですよね」

「うっ……」

フェイトはティアナを宥めようとしたが逆にやりこめられてしまった。

「まぁ、これぐらいで勘弁してあげます」

その言葉に安堵した様子の二人。

「さ、今日も頑張るわよ、スバル」

「……うんっ!」

元気良く返事したスバルは先に歩き始めたティアナの後を追いかける。


こうして今日も六課の一日が始まったのだった。


     ☆


その部屋は日が昇っているのにも関わらず、シャッターとカーテンがぴっちり締め切られていた。

その中で唯一の光源であるモニターが淡く光り、モニターを覗いている男らしき影を照らす。

「黒神零慈……」

モニターには零慈についての出来得る限りの情報と一次試験(筆記)の結果が流れていく。

「あぁ、最終試験が楽しみだ……」

男は口元を三日月の様に歪ませ、嗤い続けていた……


To be continue!

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