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LOGICAL×BURST
By クロポン補佐官
2017-07-02 12:15:04








隣へ腰掛けると、イノセントは
ミネラルウォーターを手に取り
ペットボトルへと口を付ける。
そんなイノセントの様子を
フリージアはジッと見つめていた。





『――――何?』


『……、ううん。何も―――、』


『・・・、』


『…髪の毛。乾かしていいですか――?』


『ん。』





白に近い綺麗な銀色の髪を
タオルケットにて優しく
その水分を拭い去る。

この綺麗な髪に、広い背中に
後ろから思い切り抱き付きたい…
そんな衝動に切実に駆られながらも
自制心をどうにか保ちながら、
完全に片面全体が濡れた
タオルケットを裏返し
再び、フリージアが
彼の髪の毛を乾かそうと
タオルケットを広げた時だった。

―――ハタッ、と。

気付くと此方を振り向いていた
イノセントと思わず視線がぶつかって……。





『――本当は? 何しに此処来たの、お前』


『……………、それは――』



タオルケットを膝上へと下ろし
キュッと無意識に握り締める。
つい、視線が泳いでしまい
イノセントの目を見る事が出来ない。
そんなフリージアの心の内を
見透かさんとばかりに
イノセントの視線は、
真っ直ぐにフリージアを射抜く。





『―――そのっ…、あのっ……わ、私…』


『…………………、』


『――ごっ、ごめんなさい。…常識外れなこんな時間に押し掛けちゃって。私。―――か、帰りますねっ…』


――パシッ、……


『っ、…えっ??』



左手首をイノセントへ掴まれて、
フリージアはドキリッと身を竦ませた。
胸元へと抱いたタオルケットを握った手へ
ジワリッ…と、妙な汗が滲む――――。





『……あの、イノセさんっ――――』



ドッドッ、と心音が一気に速まる。
イノセントの視線に相手を真っ直ぐ
見つめ返す事が出来ずに、俯く。
顔が―、身体が――、熱い…。








『――――何て顔、してんだよ…。バカ……』



フリージアは一つ瞬くが
問い返す間もなく、
そのままベッドへと
半ば、強引に押し倒される。





『んな、熱帯びた目ェしやがって――。誘ったのは、そっちだからな?』


『―――やっ、待って! イノセさんっ…!!』


『……んだよ? 今更、待ったとか…』


『・・・、ん―。でも、お願い…。わ、私……。私…も、初めてだから――。優しくして…、――――お願いっ……』


『……。お前―――、』



顔を真っ赤にして。
しかし、それを
右手の甲にて隠すフリージアの
その様子へイノセントは溜め息を吐く。
髪を掻き上げて、がっつきそうになった
自身に一旦、ストップを掛けつつも。

――しかし。

面倒臭いと言ってしまえば、
それまでではあるが……。
美味しい展開と言えば
そうなのだろう。
少なからずも、こいつは。
フリージアは。あの晩の優人へ対し
内に秘めた嫉妬を匂わせている――――。





『…悪くねぇーけどな。そーゆーのも―――、』


『……?、』


『アイツ(優人)が妬くような事、してやるよ。それで満足? フリージアさん…??』


『っ、……ふ、普通でいいからぁ〜っっっ(汗々)』



覆い被さって耳元へ囁くと
彼女は羞恥に彼の胸へと
顔を埋めてしがみついて来た。
その様子へ、くつくつと笑って
抱き締め仰向けに寝転がると
自身の上に身を寄せる
彼女の髪を梳いて
そっと口付けた――――。



[編集]
By クロポン補佐官
2017-06-21 10:08:26





#悪魔の花嫁リターンズ



叔父のお話の続きを書くとか言って
全く別のお話を書き出してもうた(爆)。
(*ノД`*);;


まだまだ続く予定。
またもやの見切り発車どすえ〜。
(*‘ω‘*);;;;

え〜ろえろ(笑)。



[編集]
By クロポン補佐官
2017-06-21 10:00:03

#悪魔の花嫁リターンズ










『――――んぅ、……はぁっ、はっ、…んくっ、………はっ、はぁ…、――っああぁあぁ!!』





時は僅かに遡り、優人が
イノセントと契約を交わし
初めて身体を交えた後の、
再度の女体化を迎えた
ある真夜中の事―――。







『…………はぁっ、……はぁ、―――――イノセ、さっ………』



フリージアが、目覚めて直ぐに
ふらつくその身体を起こすと
キョウがスイーッと飛んで来て
フリージアへとカーディガンを
そっとパサリと羽織らせた。




『―――なぁ、ゆーと。まさか、今からアイツんとこ、行く気? 止めときなって。まだ、ヒートフラッシュ、来るぞ? 大人しく朝までゆっくり休みなよ。ねぇ…』


『……………』



キョウはフリージアの隣へしゃがみ込み、
優人を、フリージアを。困り顔にて労りながら
上目に自身の衣服の袖でその額や首筋に浮かぶ汗を
拭ってやりつつ静かに彼女を宥める。





『……、ごめんね。…キョウちゃん―――』



キョウは心底、呆れたように溜め息を零すと
それから、フリージアへ抱き付いて
頬へと軽く口付けた。




『行って来ていいよ。身代わっててあげるから』


『……うん。いつも、ありがとう』



フリージアもキョウの頭を
優しく撫でて、額へ
そっと口付けた。

キョウは複雑そうな顔をする。





『ゆーと。何かあったら直ぐにオレに言えよ?』


『…ん。』


『絶対だぞ!? 約束だかんな…?!』


『ありがとう。キョウちゃん――――』



フリージアはキョウへ笑んで見せ、
ふらりと立ち上がると自室を後にした―――。















ヨロヨロと壁伝いに縋りながら
一階の離れのイノセントの部屋まで
フリージアは、何とか辿り着いた。
軽く息と身嗜みを整えて、
部屋のドアを数回ノックする。
しかし、部屋の中から応答は無い。
寝てしまっているのか、それとも留守か。
改めて、今現在の時間帯を思い出し
無理もないかと諦め半分にも
ドアのノブへ手を掛けると
思い掛けずもドアがカチャリと開いた。

驚き、戸惑いながらも
フリージアはソッと
部屋の中へと足を踏み入れた。








『――――イノセさん…?』



フリージアは部屋の中を見渡す。
しかし、部屋の主の姿は
何処へも見当たらなかった。

途方に暮れ、フラフラと
フリージアはゆっくり
部屋の奥へと進み、
イノセントのベッドへと腰掛ける。
どうしてよいかも分からずに
ふと思い出したかのように
襲って来た身体の怠さへ
ベッドへ腰掛けたまま
身体を横へ倒した。

ボーッと薄暗い室内を眺めていると
直ぐ傍らからイノセントの匂いがした。
それが、ベッドへ投げ出された
彼の香水の匂いの染み込んだ
上着からだと気付き、何の気なしに
その上着を引き寄せると胸に抱き
フリージアはそこへ顔を埋めた。





(――――イノセさんの匂い……)



その匂いに酷く安堵して目を閉じると
胸が勝手に高鳴って、身体が疼くのを感じた。
彼に貰った言葉、彼に教え込まれたそれら。
先日、自分ではないこの身体で与えられた
彼からの全てへ対する内に秘めた嫉妬――――。

そんなこんなに想いを馳せて、独り
熱帯びて行く身体を持て余し始めていた時。







『―――――人の部屋で、人のベッドで。こんな時間に何してんの、お前』


『!!?』


『…つか。部屋の鍵、開いてたか?』



声に驚き、目を開けると
風呂上がりか解けた髪から雫を滴らせて
半裸に近いイノセントが目の前に
立っていたものだから――――。





『………っ、!!』


『何? 俺の上着の匂い嗅いで……まさか、一人エッチしてたとか??(笑)』


『し、してないでしょ!』



フリージアは、ガバッと身体を起こすと
これ以上ない程に赤面して声を張り上げた。
しかし、声は裏返り目はグルグルと
動揺は隠し切れはしない―――――。





(―――わ、私、イノセさんがもし、このまま来なかったら…………何してた??)



フリージアは真っ赤になって俯く。
その様子を横目に眺めながら
イノセントはくつくつと笑った。





『バーカ。冗談。…拗ねんな、んな事ぐらいで―――』



そう呟いたイノセントに
頭をワシャワシャと撫でられて。



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