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Mindear
By 汐峪ゆう
2012-01-10 18:55:58
月が冷凍された夜更け
大気がキーンと張り詰める
星の瞬きが頬に触れて軋む
踏み付けられる雪が声を上げる
立ち止まると完璧なる無音
街灯さえ息を止めている
自分の呼吸音だけが体内で響く
鼓動すら鬱陶しい雑音と化す

もう一度高い宙を見上げた
私は生温い肉体を放棄した


SH008
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By 汐峪ゆう
2012-02-21 13:59:46
空気中の水分が凍てついて鋭く渇いた寒風が、私の大切な大切な温かい感情を干からびさせてしまう。
夏には自由に膨らんで丸々と張っていた風船が、もうこれ以上縮まらないだけくしゃくしゃに押し潰されるみたいに。
凍みかけた不安定な心を抱えて夜空を見上げれば、不可解で奇妙な光の柱が幾つも浮かんでいた。

美しい。
とても美しい。
故に残酷で。

かたかたと小刻みに震える筋繊維は単に収縮を続け乳酸を生じるだけで、絶大なる世界に立ち竦む私の肉体さえも救えない。
四肢の末端は、既に知覚も消えてしまった。
本当に明日は来るのだろうか。
不意に絶望的期待が脳髄を駆け上がる。

美しい。
とても美しい。
もはや理由など要らなかった。


SH008
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By 汐峪ゆう
2012-05-10 16:12:56
音を上げてしまいそうだ。
もはや重力に抗うことすらままならなくなってしまったのか。
万有引力によって生じるあらゆる事象は精神的負荷も伴って押し寄せるから、眼窩はくすんだ茶褐色に窪み眉間に深い皺が刻まれる。
神経繊維も骨繊維も筋繊維も弾性を失ってみるみる擦り減るから、無数の細胞が軋んで苦悶する。
老体に鞭打って寿命を縮めて悪足掻きしてみたところで、すでに閾値は超えているのだ。

SH008
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By 汐峪ゆう
2012-08-22 21:04:42
何を見詰めているのか。
眼前に拡がるこの三次元空間と、私の手の中にあるこのルービックキューブとに、何ら違いは認められない。
君は、万物には法則があるなどと平然と言って退けて笑うじゃないか。
私は心底居た堪れない。
欲しいのは、そんな言葉じゃない。
欲しいのは、確固たる事実なんかじゃない。
私の心臓は、世界を動かしているんだよ。
私の血液は、君の細胞を充たしているんだよ。


SH008
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By 汐峪ゆう
2012-09-18 01:35:13
恋だの愛だの騒ぐんじゃないよ。
そんな一過性の病的反射に絆されるくらいなら、私は君を殺してしまうじゃないか。

好きだの嫌いだの喚くんじゃないよ。
そんな無責任な性的欲求で人生を棒に振るなんて、君は私を貶めるつもりなのか。

己の肉体を維持するだけで悲鳴を上げている神経を君の為に擦り減らす愚鈍な真似なんて、真っ平御免だね。

SH008
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