LOGICAL×BURST
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真夜中の鬼ごっこ
By クロポン補佐官
11-26 20:00
in 電霊世界
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By マギー司令官
12-03 16:50
『優人君。人はみな、何か背負って生きてるもんでやすよ。決して曲げてはならない信念を制約として己に架すのです』
『………』
『指揮は哀しい人でやす。哀しいから強さに長けている。非力な人間が、何もかもを守れるようになろうとした結果の成れの果てでやす。失った痛みを知るからこその自己犠牲主義。そんな弱い本性を直隠して、馬鹿になろうとしたから凄いんでやすよ』
『……みんなの為に、本当の自分を隠してる?』
『否。本当の自分なんてのは本人にしか判らない。ただ、自分自身をねじ曲げる事で亡くしたモノでは無く、…今も尚身近にある輪廻の幸福を願ったんでしょうな。……貴方はどうでやすか? 何か信念と言う意義をお持ちでやすか?』
『信念………』
『人の数だけあるものでやす。重くのしかかり時には心を掻き乱し自由の権利にすら邪魔をする鎖でやす』
『……だとしたら、それは僕の、師匠と置いて来た仲間達ですかね』
『なかなか多いようですな』
『ええ、かなり』
『背負う数だけ強くなる。少し見直しやした。その年で根性あるじゃないですか』
『馬鹿にしないでくださいよ』
『失敬』
守るべきものを
見つけてしまった人間の強さ
守るべきものの為に嘘をつく強さ
何が正しいかなんて
誰にも決められないから
ただ、己の目を信じるしか無かった。
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By マギー司令官
12-03 16:47
『つー訳だから、結界はヨロシクね。この病院ごと、全部吹き飛ばすから』
『氷堂さん…、』
『……それにな、万が一。こんな事で死ぬような奴なら、必要ねぇのさ。与えられた役目も果たせないようなフヌケた奴は、この世界じゃ生きてけないぜ』
『……、』
『じゃあ、ちょっくらお出迎えに行って来るよ』
『…………ええ』
時折、見える不穏に
気付かないふりをするのは
現状が続く事を強く願うから。
冷たい眼。非道な心。日に日に感じる
冷酷さは気のせいなんかじゃ
なかったけど―――氷堂さん、
人間らしくいてください……
どうか――――。
―――――――――…
――――――――…
『不気味ですね…』
廃病院の中に一歩足を踏み入れた瞬間
優人は何だか奇妙な感じがして
一旦辺りを見回した。
誰かに見られてるような……
心地の悪い違和感に
眉をしかめながら。
『天雷滅殺、飛翔焉』
『!?』
バリバリと耳を劈く音をあげ
周囲に雷光が迸る。
烈将はその充満する違和感を
まるで無視して、相変わらず
行く手を阻む異形を殲滅していく。
《アアァアガ…ガッ!?》
《ア…ァ…!!》
『ビリビリビリ〜ってね。ただの感電でやすが。これ本来、危険物の分解に使う、暗殺術の一種なんでやすよ。霊圧調整するとこうなりやす』
『………、』
危険物の分解。一瞬何の事か
判らなかったが、すぐに
ハッとして息を飲んだ。
彼の本来の仕事とは
危険分子の――浄化。
『鬼狩り』の行う浄化とは
名ばかりの……
『………嫌な技ですね』
息も絶え絶えに階段を駆け上がる。
足音は一人分だけ。ただ、無機質に。
『そろそろ、お出迎が来る頃でやす。もうちょっとの辛抱ですよ』
『……お出迎え、ですか』
『ええ。直々に』
『……氷堂秋風』
『そう、第三指揮官でやす』
『……会った事は一度も無いけど…凄い人なんですよね』
『ええ。凄い遊び人でやす』
『は?』
『馬鹿で変態で凄まじくノリの軽い人でやす』
『…へ……変態なんですか』
『ええ。彼と周囲がそうありたいと願った故に。彼はそうなるよう努めやした』
『?』
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By マギー司令官
12-03 16:41
――――廃病院.
『火捕辺、ライター切れた。火貸して』
『……何本目ですか。吸い過ぎは身体に良くありませんよ』
『火貸して』
『…顔ごと燃えてもしりませんから』
―――――ゴォオッ
『っぎゃあああ!! 前髪焦げたぁあっ、前髪…って、お…お前、今狙って…』
『……、おや。芝祈の気配がしますね。もう、すぐ側にまで来てる』
『いや、つうか、ね、今、お前、狙ったでしょ!! 俺の顔燃やす気満々だったでしょ!? ああ、前髪がチリチリ言ってる!!』
『五月蠅いですね。髪の毛ぐらいまた、伸びますよ』
『そーゆー問題じゃねぇ!!』
『僕をライター代わりに使うからです』
『何だよ、ちょっとぐらいイイだろ…別に。減るもんでもあるまいし』
『……、芝祈達、僕の支配領域を突破したみたいですよ。院内に入って来ます』
『俺の話無視かよ!!』
『…人間とは違う、異形とも違う。歪で悍ましい空気。芝祈の気配はハッキリと判る。その禍々しさは彼の意思とは関係なく、血統から滲みでるのでしょうね』
『……あぁ、だから上々なのさ。芝祈を任務に当てて失敗した事ないよ? 俺は』
『……しかし、氷堂さん。帰還直後の祟場さんの弟子をこんな事に使うなんて……。僕は遺憾ですね、万一何かあったら、どうされるおつもりで?』
『いやいや。ノープロブレムよ。安心しな。俺の作戦に間違いは無い』
『……しかし』
『火捕辺補佐。任務においては俺に意見するなって、いつも言ってるだろ? 俺のシナリオは、完全無欠だ。誰一人の死者を出さずに、異形のみを殲滅させる。得意分野さ。お前より手慣れてるから安心しな。これが一番ベストな方法だろ?』
『判っていますよ。しかし、囮になる方だって命懸けでしょう?』
『そう。命懸け。まるで無関係な人間を餌として巻込んだ挙げ句、傷を負わせ、命を懸けさせる。非道そのものさ。だからこそ、この作戦で大事なのは、不安要素を並べてどうこうと案ずる事じゃない。全力で死亡者ゼロの結果に努める事なんだよ、補佐』
『…………』
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